現代調ダンジョン物 第2話「国指定ダンジョン私のイチモツ」
私のダンジョンが国指定のダンジョンとなってしまったのだから不思議な気分である。
私のイチモツは国管理となってしまったのだと思うと笑うしかないし、一廉の人物になってしまったのかと錯覚さえする。
もっとも国が必要なのは私のイチモツダンジョンだけであり、それだけだ。私ではなくこのイチモツが目当てだったのね!ヒドい!と枕を涙で濡らせば良いのだろうか。
さて国管理となって何が変わるかと言えば、朝の
別に同性愛者ではないのだが、女性隊員にたいして知りもせぬ冴えないブ男のデトックスを拝ませるのは酷だろう、と少しばかりの配慮により網を構えるのは男性隊員殿の仕事である。
さて本日の男性隊員殿に会釈をし、トイレへと同伴だ。
彼もまた何かしらの志を持って自衛隊員になったのかもしれない。もしくは少しばかり嫌な表現をするがぼんやりとただなんとなく自衛隊員になったのかもしれぬ。
どちらにせよ仕事で冴えないブ男おじさんの尿を、網でとはいえ受け止める事になろうとは欠片も想像はしていなかったろう。
私が悪いわけではないが申し訳ない気持ちでいっぱいである。
ふむ。今日はゴブリンやスライムばかりである。
彼らは悲しいかな貧弱な生き物である。この国でよくあるテレビゲームと同じ様に彼らはいわばまさに雑魚敵なわけであり、彼らがイチモツから排出された後は大概死んでいるのだ。
研究者らが1番欲しがっている下層に生息してるだろう魔物らが排出される事は稀であり、ドラゴンなどという魔物はあれから1度も排出されずである。
隊員の方々は出来れば生け捕りという注文を受けてくるのだが、流石は魔物。好戦的なのだ。
そのミニチュアな身体に秘めたるパワフルなパワー。
レベルが上がった私や、日々血税が注入され出来た兵士の皆様でも苦労する物であり、生け捕りは中々難しいのである。
なので倒すしかない場合もあるのだが、その際はレベル上げの為にとどめは隊員に譲ってくれとの事だ。
本日の旨味が大変少ない敵には自衛隊員のお兄さんも帰宅したらしかめっ面する事間違いないだろう。少なくとも私ならそうする。
網に出現する薬草を眺める度に思うのだが、この薬草を口にするもしくは加工に使われると思うと、薬草を加工した製品に抵抗を感じる。
世に出る時は洗浄されているとはいえ、これを食べたり薬として飲んだり塗ったりを想像すると尚更だ。
そんな事を言ったら、と言われれば確かにそうであるが、そう感じてしまうのだから仕方ないとしか言えぬ。
朝の日課も終わり、自衛隊員と朝食を共にし終え、イチモツの不快感と戦いながら私は近所のダンジョンへと向かう準備をするのであった。
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