詩集 ネイル

南 美桜

ネイル - 赤

爪先に赤を塗った

ヒーローの色

かっこよくて強いけれど

周りに頼る術があるように

靱やかな強さを身につけた気がした


爪先に赤を塗った

女の子の色

植え付けられた先入観

自分の考えのフリをして

剥がせば何も残らないくせに


爪先に赤を塗った

燃え盛る炎の色

熱く危うくも武器となる

辺りを焼き尽くすそれのように

戦う強さを手に入れた気がした


爪先に赤を塗った

流れてく血の色

深爪かと思ったなんて

デリカシーの無い言葉

丸めてゴミ箱に投げ捨ててやる


爪先に赤を塗った

ショートケーキの天辺の色

先に食べるか後に食べるか

決して残されないそれのように

愛の強さを味方にした気がした

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