(1)
『あの……こちら、「アルジュナ」。地上用のドローンの映像にブレが起きてて……変だと思って調べて……』
『すまん、手短に頼む』
『は……はい……。トラックが2台と、その護衛らしい戦闘用パワーローダー2台が……港に近付いて来てます』
『そ……そんな……3月のアレに続いて……』
「ハヌマン」から無線が入る。
『こちら「ダークファルコン」。一番近いのは、私達だ……中を探った。有人だ』
『こちら「ルチア」。じゃあ、「ダークファルコン」の能力で、操縦士を……』
『それをやるには……いささか以上の問題が有る。手短に言うと、私は生命力を検知する事で……えっと……その……ああ、長くなるから、もっと手短に言うぞ。あのパワーローダーの操縦士は……おそらくだが……両方とも、中学生ぐらいの女の子だ。ちなみに健康状態は、両方共に、結構、良好』
「あ……あの……すいません……アレ……」
その時、近くに居た今村君が声をかけた。
あたし達が見張っていた不審なトラックのコンテナから3人の人間が出て来た。
1人は……見覚えが無い。あたしより、少し年下ぐらいの眼鏡の女の子。
次の1人には……見覚えが有る。
あの夜の会った「神保町」の自警団の一員。
そして、もう1人には……もっと見覚えが有る。いや、正確には、見覚えが有るのは、その外側で、中身が誰かは、推測だけど。
強化服「
「あ……あの馬鹿……」
「えっと……まさか……あれが……」
「小坊主」さんも事態を察したようだった。
「確か……何か有ったら、貴方の指示に従えと……」
「すいません、『おっちゃん』。ちょっと大変な事に……今から、映像を送ります……あっ‼」
「どうしたの?」
「あの……『
「えっ……じゃあ、あの馬鹿が、ここに居る事は……」
「どうやってかは不明ですが、さっきまでは……魔力の気配みたいなモノを消してたみたいですが……ここから先は……どうなるか……」
その時、荒木田さんから無線通信が入る。
『こちら「ダークファルコン」。子供を移送してるトラックも変だ……。トラックの中の生きた人間の中に……大人が居ない』
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