(6)
そして、勇気のお父さんの形見である「
「おらよっ……と」
「うおっ……」
勇気と今村君は2人で
数十分後、前面の装甲は全て取られ、再び、勇気と今村君が
更に数十分後、背面の装甲も全て取り外された。
次に、装甲と機関部の間の特殊繊維製の「皮膚」を剥す。関節には何本もの太いケーブルのような機器が有った。
「こいつが『人工筋肉』か……」
通電により伸び縮みをする部品。瀾って云う女の子から送られてきた手順書に書かれてる通り、暗い青とピンクに近い明い赤の2色。
人間の筋肉は、力を入れると必ず縮んでしまうモノらしい。つまり、例えば肘を曲げようとすると、肘の内側の筋肉が縮み、その結果、肘関節が曲る。
それに対して、この「人工筋肉」は、「通電すると延びる」性質を持つ青いのと、「通電すると縮む」性質を持つ赤いのの2種類が有る。そして、肘や膝なら、曲げた時に外側になる方に有る「通電すると延びる」青と、内側に有る「電すると縮む」赤いのに電流が流れ、その結果、関節が曲る。逆に関節を伸ばす場合は、曲げた時に外側になる方に有る赤と、内側に有る青に電流が流れ関節を伸ばす……らしい。
「じゃあ、ブッ壊れてる人工筋肉を取り外すぞ」
「足首L青1」
「はいOK」
あたしと勇気が取り外し作業をして、望月君と今村君が、手順書通りにやったかを確認。
「ブッ壊れてたのは、全体の1〜2割ってとこか……」
1時間ほど後、部屋の隅には取り外した人工筋肉の山が出来ていた。
「続いて、まず、膝R赤2を膝L赤1に移植」
「はい、OK」
次は、壊れてる人工筋肉が多い関節に、他の関節の人工筋肉を移植する。
「マズい……そろそろ、この辺りで飯食える店、ほとんど閉まる」
勇気がボソっとつぶやく。
人工筋肉移植作業が終る頃には、そんな時間になっていた。
「じゃあ、続きは、飯食って、一眠りしてからにする?」
「じゃあ、寝る前にシャワー貸してもらえます?」
「ついでに洗濯機も……私と
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