第8話 連撃幼女
「私って、天才幼女! お友達になろう! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
楓、お友達70億人キャンペーン実施中!
「か、勝てない!? 我が妹ながら、なんと恐ろしい妹をもったんだ!? アメマ!?」
道場で真理亜が妹の楓に稽古をつけていた。
「私って、天才なので。アハッ!」
しかし真理亜は楓には刀の腕で勝てなかった。
「譲ります!」
「え? 何を?」
「ガパオ流ムエタイの正統継承者の座を!」
「いらない。」
「え? どうして?」
「だって、私、タイキックなんかダサいのしないもん。」
「ガーン! 妹にダサいって言われた・・・・・・。」
楓のダメ出しに落ち込む真理亜。
「しょうがない。私がお姉ちゃんに刀の稽古をつけてあげましょう。」
「本当ですか!? なんて優しい妹をもったんだ! 私は幸せ者です! アハッ!」
「こっちはおバカな姉の相手に疲れてるつーの。」
姉よりも妹の方が強いという図。
「いくわよ! 真理亜お姉ちゃん!」
「お願いします! 楓師匠!」
いつの間にか師になった楓の刀術稽古が始まる。
「二連撃!」
「えいえい!」
「四連撃!」
「なんですと!? 倍になった!?」
「八連撃!」
「ええー!? マジですか!?」
「十六連撃!」
「ギャアアアアアアー!? 無理無理!?」
「三十二連撃!」
「もう許してください!? これ以上叩かれたらお嫁にいけない顔になっちゃいます!? グブッ!」
「六十四連撃!」
「・・・・・・。」
どんどんボコボコにされ、遂に天に召された真理亜。
「お、鬼だ!? 楓は連撃の鬼だ!?」
ガパオ師匠は楓の強さを見た。人は楓のことを「連撃幼女」と呼ぶ。
「大変だ!」
その時、道場に誰かが駆け込んできた。
「どうしたの?」
「人斬りだ! 人斬りが現れた!」
「また人斬りか!? 物騒な世の中じゃ。」
時代劇の村を騒がせる人斬り。
「行ってきます。ガパオちゃん、お姉ちゃんの介抱よろしくね。」
「大丈夫か? 子供のおまえに人斬りの相手は・・・・・・。」
「私って、天才なので。アハッ!」
笑顔で楓は道場を後にした。
「人斬りさんはどこにいるのかしら?」
楓は村をブラブラと歩いている。
「キャアアアアアアー! 誰か捕まえて! スリよ! スリ!」
「どけ! どけ! どけ!」
スリ少女が財布を吸っている現場に出くわす。
「ふう~、また、あいつか。」
呆れる楓。
「いでよ! サイキック刀!」
超能力で刀を出す楓。
「飛べ! 飛翔連撃!」
楓の連撃がスリ少女を目掛けて放った連撃が飛んでいく。
「ギャアアアアアアー!?」
見事にスリ少女に命中して足を止めた。
「何するんだい!? んん!? 楓親分!?」
「誰が親分だ。おまえの様な奴を弟子に持った覚えはない。」
「そんな冷たいことを言わないで助けてくださいよ!?」
「嫌だ。」
そこに変な男たちが現れる。
「おまえが、こいつの親分か。」
「なんだ? おまえたちは?」
「俺たちは賽銭泥棒よ! 俺たちの獲物をこいつが横取りしやがったんだ!」
「違います! 私が先に目を付けていたんだ! それなのにこいつらが神社の再選を盗みやがったんだ!」
「はあ・・・・・・。」
ため息しか出ない楓。
「どっちもどっちだな。」
「楓親分! 助けてください!」
「嫌だ。」
賽銭泥棒たちは楓をジッと見つめる。
「親分なら子分の後始末は付けてもらわないとな。カワイイ幼女なら妓楼で高く売れるぜ! グワッハッハー!」
賽銭泥棒たちは楓を売り飛ばす気だった。
「カワイイだなんて。アハッ!」
カワイイという褒め言葉に弱い楓。
「さあ! 一緒に来てもらおうか! お嬢ちゃん!」
「はい! ついていきます!」
可愛いと言われて素直に賽銭泥棒についていこうとする楓。良い子は悪いおじさんに付いていかないようにね。
「楓親分!? しっかりしてくださいよ!? そいつらに付いていったら身も心もボロボロにされちゃいますぜ!?」
必死に止めるスリ少女。
「それは可愛くない!」
我に戻る楓。
「フッ、もう少しで危ない所だった。」
魔法が解けた楓。
「クソ! こうなったら力尽くだ! 野郎ども! やっちまえ!」
「おお!」
賽銭泥棒10人位が楓に襲い掛かってくる。
「十連撃!」
楓は刀から連撃を放つ。
「うわあ!?」
「ギャア!?」
「アベシ!?」
次々と賽銭泥棒たちを打ちのめしていく。
「カワイイは勝つ! カワイイは無敵! アハッ!」
さすが次期ガパオ流の正統継承者の楓。
「さすが楓親分だ!」
「だから親分、言うな!」
「カワイイ! 親分!」
「いや~、それほどでも! アハッ!」
その時、賽銭泥棒の頭が起き上がる。
「クソガキに負けたとあっては賽銭泥棒の名折れだ!」
楓に襲い掛かる賽銭泥棒。
「おまえなんぞに刀は不要。幼女奥義! 金〇キック!」
楓の蹴りが賽銭泥棒の急所に命中する。
「ギャアアアアアアー!?」
賽銭泥棒は口から泡を吹いて絶命した。
「私って、天才なので。アハッ!」
可愛く笑って見せる楓。
「男の急所を蹴るなんて!? なんて恐ろしい幼女なんだ!?」
スリ少女は幼女の楓に恐怖を感じる。
「お姉ちゃんのタイキックより、金〇キックの方がマシよ。アハッ!」
ここに新世紀末覇者伝説が開幕する。
つづく。
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