第33話
「他には何が必要になるだろうか・・・。あ・・・ひまわり持って行きたいなぁ。」
ひまわりの効果を期待して、ひまわりも是非持って行きたいところである。
だが、ひまわりは刈り取ることができないとあった。
つまり、収穫ができそうにないのだ。
でも、あの治癒の効果は捨てがたいし。
女王様がいるから大丈夫だとは思うけど、万が一にマリアが怪我でもしていたら大変だ。
是非とも持って行きたいなぁ。
じぃーっと玄関からひまわりを見つめること数分。
「あ、そうだ!」
いいことを思いついてしまった。
ひまわりを鉢に植え替えたらどうかと思ったのだ。
この家には鉢がないから鉢を買ってくる必要がある。
念のため2個ほど欲しい。
そうすると、ひまわりを運ぶ為の袋も必要だなぁ。
まあ、以前リュリュさんから購入した鞄があるからいいんだけど。
あれには食材とかも入れるからなんとなく、土がついているひまわりの鉢植えを入れたくないし。
もう一つ購入しようかな。
あとはマリアを見つけるまでに何日かかるかわからないし、本当に王都にいるのかもわからないし、なにか食べ物を数日間分持って言った方がいいよね。そうすると、今の鞄だと冷蔵機能がついていないからすぐに食べ物がダメになっちゃうよねぇ。リュリュさんのところで15万ニャールドで鞄の中の時間経過がないから鞄に入れた時のまま取り出せる鞄っていうのが売っていたっけ。購入してこようかな。
今なら懐は暖かいし。
あって不便なことはないしね。
まあ、デザインがいいものをってなるとお取り寄せになってしまうようだけど。
そうと決まればリュリュさんのところで鞄を買って、ザックさんのところで鉢を購入しに行かなきゃね。
1週間という準備期間は長いようで短いので、できるだけ早く漏れなく準備をしなければ。
まずはリュリュさんの魔道具屋に向かうことにした。
「こんにちはー。リュリュさんいますかー。」
「マユさんいらっしゃい。今日はどうしたの?」
声をかけると奥からリュリュさんがすぐにやってきた。
うん。今日は寝癖がついている。
どうやら魔道具の作成に夢中になって寝ていないようだ。
「こないだはごめんなさい。裕太と優花さんのことでご迷惑をおかけしました。」
「あはは。気にしないで。」
リュリュさんは苦笑いをしながらポリポリと頭を掻いていた。
「今日は鞄を買いに来たんです。中に入れたものが入れた時のまま取り出せる鞄ありますか?」
「あれね。ついに買いに来たんだね。先日いくつか入荷したから持って来るね。デザインがいくつかあるんだ。」
「お願いします。」
リュリュさんは足早に店の奥に入っていく。
時間が経過しない収納鞄は値段も高いだけあってどうやら店の奥に保管されているようだ。
しばらくして、リュリュさんが鞄を3つ手に持ってやってきた。
一つはシンプルな生なりの鞄。鞄というより袋と言った方がいいだろうか。
口元がぎゅっと紐で結ばれている長方形タイプのものだ。
もう一つはカラフルな花柄のおしゃれなトートバッグタイプの鞄だった。
お出かけには丁度いいかもしれない。
最後の一つは綺麗なターコイズ色のリュックサックだった。
リュックサックタイプなので、両手が空くので便利かもしれない。
「どれも内容量は無制限ではないから気をつけてね。」
「内容量が無制限のものがあるんですか?」
「うん。まあ、なかなか作成できないから、ものすごく高いけどね。材料にね、青竜の鱗と髭が必要なんだ・・・。その二つの素材がなかなか手に入らなくってね。ってあれ?もしかしてマユさんだったら作成できちゃう?」
「プーちゃんがくれれば・・・。」
またしても、青竜の素材か。
プーちゃんどれだけ有用なんだろうか。
「作成しようか?でも、僕のレベルじゃ作成できないからなぁ。王都の魔道具屋に発注することになるよ。その分、時間もかかる。」
「どのくらいかかりますか?」
「うーん。魔道具工房の空き具合にもよるけど1ヶ月前後じゃないかなぁ・・・。」
顎に手を当てながらリュリュさんが答えてくれた。
1ヶ月前後だと、マリアを探しに行くには間に合わない。
今回は諦めて、次の機会にでも頼もうかなぁ。
「ここにあるものは、どのくらいの容量が入るんですか?」
「この袋タイプのやつが、10kgまで。トートバックタイプが15kgまで。リュックタイプが30kgまでだね。」
袋の形状も異なるが、容量も異なるらしい。
大は小をかねるというから、リュックサックタイプとひまわりを入れるために袋タイプの二つを買おうかなぁ。
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