第21話
戻ってきた化粧水をマリアと村長さんに一本ずつ渡す。
「よかったら使ってみてください。化粧水の影響で眼の色が変わってしまいますが。」
「あら、ありがとう。」
「おぉ。ありがとう。」
マリアも村長さんも嬉しそうに化粧水を受け取ってくれた。
やはり、メロンソーダに興味があるようだ。
二人ともその場で蓋を開けて飲みだす。
化粧水を飲むという行為に二人とも躊躇がないようである。
「ぷはっ。なにこれぇ~!!」
「おぉ。おぉ。」
マリアも村長さんも一口飲んで驚いた顔をした次の瞬間には笑顔になる。
どうやら口にあったようだ。
もう一口、もう一口と確かめるように口に含んであっという間に化粧水が空になった。
「どうでしたか?メロンソーダ味の化粧水は?」
二人の表情からして不味くはなさそうだが、念のため確認をしてみる。
「甘くてしゅわしゅわしてて美味しかったわ。でもメロンの味はしないのね。」
「うむ。初めて飲んだがこの喉を通る際のしゅわしゅわ感がなんともいえないのぉ。」
二人とも気に入ったようでなによりである。
だが、これは化粧水であってジュースではないのだ。
肝心の化粧水としての感想も欲しいところではある。
化粧水の効果としてはお肌つるつるになって、瞳の色が変わるということだが・・・。
改めてマリアと村長さんを見る。
マリアは元々肌がつるつるなので見た目上で判別のしようがない。
瞳の方はなるほど、綺麗なエメラルドグリーンに変わっている。
村長さんも瞳の色が綺麗なエメラルドグリーンになっている。そして、村長さんのお肌を見て驚いた。
「つるっつるっ!!」
そう。つるつるになっているのである。
年齢からくる皺には勝てないようだが、お肌が明らかにつるつるになっているのだ。
私の声でマリアも村長さんの顔を凝視している。
村長さんは、自分で自分の肌を触ってみて「おぉ。おぉ。」と感激しているようだ。
「この化粧水効果がすごいわね!私の肌もいつもよりつるつるになっているわ。」
見た目でわからないが、どうやらマリアの肌もいつもよりつるつるになっているようである。
この化粧水すごいなぁ。飲んですぐに効果が出るなんて。
この世界の化粧水はみんなこんなものなのだろうか。
「この世界の化粧水はこんなにすぐに効果が出るのかしら?」
気になってマリアに確認してみる。
マリアは大きく首を振っている。
「いいえ!こんなにすぐに効果はでないわ。やっぱり肌につけるより飲んだ方が効果が高いのかもしれないわ。」
飲むことによって効果が高まっているのだろうか。
私は化粧水を一つ手に取り、飲むのではなく、肌につけてみることにした。
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