第50話


マーニャだけでなく、クーニャとボーニャも起き出してきたので、私はマーニャたちのご飯の準備をすることにした。

保管庫の前に立っていつものように、猫用ご飯を取り出す。

器に移しながら、「あれ?」と首を傾げる。


竜って何を食べるんだろう?

というか、私がプーちゃんのご飯まで用意しなきゃいけないのかな?


「マーニャ、クーニャ、ボーニャ。朝御飯だよー」


プーちゃんと戯れているマーニャたちを呼ぶ。

クーニャ、ボーニャは目を覚ますと、プーちゃんに飛びかかっていた。

どうやら、クーニャとボーニャもプーちゃんになついているらしい。


とてとてと、やってくるマーニャたち。

朝からプーちゃんと遊んでお腹が空いているのか、それぞれのお皿に顔を埋めてご飯を食べている。


と、そこにプーちゃんもやってきた。


「プーちゃんはご飯どうします?」


『我のご飯があるのか?』


「いいえ。何を食べるのかわからないので用意しておりません」


『そうか。我は雑食だ。なんでも食べるが、食べなくても太陽の光があれば生きていける』


「そうなんですか」


・・・ダンジョンの10階層まで太陽の光届くのかしら??


疑問に思いながら雑食ならば、私と同じご飯でいいだろうと保管庫を覗きこむ。


あ、食材買い忘れたから昨日食堂でご飯食べたんだった。それなのに、また食材買い忘れた。


私は頭を抱えた。

また食べるものがない。


「すみません。プーちゃん。食べ物切らしていたので今から買ってきます。何がいいですか?といってもこの時間なのでパン屋さんくらいしか営業していませんが」


『パン?それでいい』


パンが何かしらないな。この竜。

普段何を食べていたんだろう。


「わかりました。買ってくるので、マーニャたちとここで待っていてください。プーちゃんまで一緒に来てしまうと村で大騒ぎになってしまうので」


『わかった。早くパンというものを買ってくるのだぞ』


少しの不安を感じながらも私は家をでて、アンさんがやっているパン屋に向かった。




パン屋に着くと焼きたてのパンのいい匂いが私の食欲を誘う。

「ぐー」とお腹が鳴ったような気がした。


プーちゃんどれが好きだろう?


迷いながらも数点選び会計を済ませる。


「あら、マユちゃん。こんなにパン買うの?保管庫にいれておくのかな?」


「あはは。つい買い忘れちゃうので多めに・・・」


なんとか誤魔化してパンを購入した。


「あ、マユだ」

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