第20話
草むらをかき分けてくるマーニャたち。なんだか、動きがおかしい。
じっと見ているとなにやら、前足で何かを蹴っているようだ。
三匹で1つのものを取り合うように、蹴り進める。
何を持ってきたのかしら?
次第に距離が近くなり、三匹で蹴っていた物が露になる。
確認できた瞬間、ポカーンと口を開けてしまった。
マーニャたちが、得意顔で転がしてくるそれは、こぶしくらいの大きさをしていた。
まあるいピンクの物。
あれは・・・・・・。
「流石はマーニャたちね!まさか依頼の品を持ってくるとは!」
そう。
マーニャたちが、運んできたのはさきほど、ハーメルさんから依頼されたピンクの卵だったのだ。
しかし、いったい何処から持ってきたのだろうか。
うちで飼い始めた鶏は今朝卵を産んだから今日はもう産まないはずなんだけど・・・・・。
「でも、どこから持ってきたんだろうね。この、卵」
「そうだねー。でも、依頼の品なのは間違いないから、細かいことは気にしないことにしよう。そうと決まれば、ハーメルさんに連絡とらないとね。」
「うーん。まあいっか。ハーメルさん喜ぶかな?」
ピンクの卵見つかったからまあ、いっか。
それにしても、ハーメルさんとの連絡の取り方はどうやるんだろう。
携帯電話みたいな物があるのだろうか。
不思議に思っていると、
「今、こっちに向かっているって」
と、マリアが言った。
うん?
いつの間に、連絡を取り合ったのだろうか??
「どうやって連絡をとったの?」
「んー。魔法で、連絡を取りたい相手を思い浮かべればいいの。」
「へぇー。私でもハーメルさんに連絡できるのかしら?」
「できると思うよー。やってみたら?」
私は心の中でハーメルさんを思い浮かべて連絡を取りたいと願ってみる。
すると、
『はい、ハーメルです』
お、繋がったようだ。
結構簡単だね。
「あ、マユです。先程ぶりです。」
『ああ、マユさん。卵がみつかったとか。今、そちらに向かっています』
「お待ちしています。」
そう言って、念話を終了した。
「簡単でしょ?」
「うん。思ったより簡単だった」
「さあ、ハーメルさんが来る前にマーニャ様たちにご飯をあげてしまいましょう」
「そうね。マーニャ、クーニャ、ボーニャよく持ってきたわね。偉かったわね。」
マーニャたちを誉めながら、ご飯を差し出すと三匹とも、お腹すいていたようでがっついて食べ始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます