異世界転生してった隣の席のやつの代わりに飛ばされてきたとかいう村人Aが俺の隣にいるんだが

知世

第1話

今日も今日とて異世界転生は繰り返される。

強い者、弱い者、魔王というやつと手を組む者、チート、キャンプ好きに一般人。


だから、私のような体験をする人も案外多いんじゃ?と思うのだ。


昨日、私のクラスの出来過ぎくんこと真山が異世界転生した。らしい。


「真山が転生した。喜ばしいことだ皆、真山に拍手!」


そう告げた西脇先生のいかつい顔もほころんでいる。


まぁ我が校初のおめでたい出来事が自分の教え子に起きたら嬉しくもなるだろう。


そう、「出来杉」の名に恥じず、彼はかなり目立った存在だった。


体力テストではシャトルラン300回という神業的記録をたたき出し、数学オリンピックでは優勝するという絵に描いたような文武両道くん。


彼は、多分チート枠という奴だ。最近チートは衰退気味の枠であると風の噂で聞いたことがあるが彼の特徴である数学の能力という個性で、魔法とかがいきなり理解できちゃって、錬成陣も簡単にかけちゃって、なんやらかんやらするのだろう。多分大丈夫。


心の中で「ガッテンガッテン」と二回ボタンを押して


わたしの隣は空席になり、授業は滞りなく進むはずだった。


あいつの存在に気がつくまでは。

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