プロローグ
ウーカンカン、ウーカンカン、
街中に置かれたスピーカーから、異常事態を知らせる警報が鳴り響く。
これが鳴ると、我々は避難しなければならない。
外は危ないから出ない方が良い。
避難所へも行かない方が良い。
今まで近くの広域避難所へ避難して帰ってこなかった人を何人も見ているから。
まるで戦時中の空襲に備えるように、各自宅に設置されているシェルターへ逃げ込むのが一番なのだ。
というのも、外には今、恐ろしいものが迫ってきているのだ。
それは謎の奇病。
今わかっているのは感染したらまず助からないということ。
人以外の生物にも感染すること。
感染者に噛まれると感染すること。
そして、感染した者が死亡すると、その死体が変異して動き出すということだ。
動き出した死体は、『リビングデッド』
略してリビデと呼ばれている。
リビデは、生存者を見つけると襲いかかり、感染させるのだ。
生き残るためにはリビデをもう一度殺さなければならない。
感染者が生存者を見つけ襲いかかる。
生存者は生き残るために感染者を殺す。
さっきまで笑い合っていた人たちが次の瞬間には殺し合っているかもしれないのだ。
まるで悪夢を見ているかのような気分になる。
でもこれは疑いようのない現実なのだ。
生き残るためには戦うしかない。
迫りくる死と、そして
今にも現実から逃げだしたいと訴え続けてくる自分自身の心と。
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