すずらんの花

へたれ

第1話

自殺しようと思って公園に来た。森林の大きな公園で、あまりに大きすぎるから、人がいないところもある。

そんな場所を探していて、見つけたのがここだ。

小さな広場みたいな場所で、申し訳なさそうに太陽の光が射し込んでいる。街全体を見ることができて、展望台みたい、とも思う。

街を見渡せる場所には、崖ギリギリの所に柵がある。木で作られていて、温かみを感じる。

もう死んだ木なのに不思議。

その柵の付近にあるベンチに座って、街を眺める。

冬特有の重たい曇り空の下にある街は、赤と緑と幸せによって、とても賑やかだ。

でも私は、こんなにも寒い中、ひとりぼっちでベンチに座っている。

誰も隣になんていない。

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