女神のチョンボで大変な事に

第567話 2人には人道的な責任がある

「はっきり言おう、2人ともリアレプトの支配下にあったわけだし、あれはどうやら邪神で、おそらく転移させられた直後では知識もないし、抵抗もできなかっただろう・・・・これに関しては不可抗力だし、仕方ない。」

俺は2人に俺が思う事を伝え始める。

「あいつのスキルは強力だからな。2人は抵抗できなかっただろうし、体の自由もきかなかっただろう・・・・だが、今更嘆いてみても死んだ人は生き返らない・・・・あいつにそうさせられた。仕方ないでは済まないが、どうしようもない。だが俺が今気にかかっているのは、君らの意思とは関係がないとはいえ、君らの子を産んだ女性の事だ。おそらく君らが襲って犯した女性は、皆妊娠、出産したのだろう・・・・？」

「ええそうなんです・・・・しかもご丁寧に奴はその女性全員をも支配下に置いたんです。”美人だが、勇者じゃないからね・・・・君らで犯しちゃってよ？”と言い放ち・・・・その後はもう・・・・」

いったい何人の女性が毒牙にかかったのだろうか？生き延びていた転移者は全員助けたが・・・・この2人はあの後、帝国へ向かい・・・・そこの皇族？の女性を手籠めにし、子を産ませている。

俺はそこまでしか知らないが、それ以外にもいるのだろう？

「それに・・・・その産ませた子は、後で駒として使えるので、どんどん孕ませるように！吾輩いい事をしたぞ？とかいうのですよ・・・・」

奴は相変わらず下衆かった。

「それでだな・・・・だからと言って死ぬ事は許さん！」

俺は怒った。

「簡単に死ぬとか言うな！異世界召喚に巻き込まれ、無念を感じる間もなく、訳の分からないまま死んだ沢山の生徒や、魔物に食い殺された可哀想な人たち・・・・その人達に死んでどんな顔を合わすというんだ？」

「ですが・・・・どうしたら・・・・」

「勘違いするな知見寺！俺は君らの状態は仕方ないと思ってはいるが、同情はできない。そうだな・・・・まずは孕ませ、産ませた親子に会ってくるんだな。」

「何を言ってるんですか口田さん。そんな強姦魔と対面なぞ・・・・相手がするわけないでしょう？それに、我々を見てしまえば、きっと心が乱れますよ？」

「相手もリアレプトの支配下だったのだろう？それならば・・・・今後の事もあるしな、君らが責任をもって彼女らの面倒を見る事だな。何をどうやってとかは自分で考えてくれ。」

そこまで言って、ミルテが俺のそばにやってきて、水を出してくれる。

「そんな対応でいいの？」

「さあ？あの2人は自分が罪深いと思っているし、きっとそれは一生消えないだろう・・・・だからと言って俺がしてやれることは少ない。」

「それで、被害にあった女性の所へ行け、と？」

「・・・・俺は賢くないからな、それしか思いつかなかったよ。」

「いいのではないですか？それに相手もリアレプトの支配下にあった・・・・まあ駄目ならまた考えればいいと思いますけれどね・・・・」

俺はまず帝国の事だからな・・・・アウグスティンとヴィヴィに話を通しておくか・・・・2人にとっての身内が色々されてるわけだからな・・・・