新たな領地運営と人材

第565話 忘れている・・・・

一応暫定的な組織を編成しなおし、一息つく。


マウリシオ氏は結構な歳だからな。無理はさせられない・・・・


国境の事もあるから、バルトサールがどこまで領地に関して集中できるか・・・・


息子もいるし、何とかするのだろうか?


それとあの勇者君だ。

彼は中々の優れものと思うけど、俺同様、この世界との関りが薄い。

どこまで力を出せるか・・・・

あの巨乳勇者といい関係らしいから、女の為に頑張ってもらえたらいいんだが。


店も妻にほぼ任せっきりだしな。子供を抱えての経営は中々厳しいだろう・・・・それは総合的に動いてもらっているイベッテもそうだ。

今後はどうなんだ?レシティアがある程度動いてくれそうか?


俺がそんな事を考えているとミルテがやってきて、

「そんなに思い詰めて、根詰めてもいい事ないからね。これでも飲んで落ち着いたら?旦那さまは珈琲が何よりも好きと聞いてたから、淹れてみたんだけどね。」


「お、気が利くね。有難く・・・・」


人に淹れてもらうコーヒーは何でこんなに美味いんだ?


そう思っていると、お盆を持ったレシティアがやって来た。

「そこのミルテがシモンに珈琲なる飲み物を飲ますと聞いてな、急いでお茶請けを用意したぞ!さ、食え食え!我もそのコーヒーなる飲み物を一緒に飲もうぞ!」

そう言って俺のコップを奪って飲み始めるレシティア。

あ・・・・レシティアコーヒー飲んだ事あるのか?

そうすると、案の定・・・・それとお茶請けって意味知ってるのか?

持ってきたのは単なるおやつに見えるし。まあレシティアの気持ちは大いに伝わる。


「う・・・・なんじゃこれは・・・・紅茶とは全く違うではないか!」

目を白黒させ、少し歪んだ顔をするレシティア。


「どうだ?美味いだろ?このほのかな苦みがいいんだよ。それにこの香りと酸味だ。ミルテの淹れてくれたのは・・・・あ?なあこれもしかしてブルーマウンテン淹れた?」


おれはキリマンジャロやモカ、マンデリンやグァテマラ、コロンビアと言った銘柄をいくつも置いていて、その日の気分で淹れてたりする。

まあ焙煎方法や煎り方でも味は変わるが・・・・それは今はいいだろう。

「よく分かりますね旦那さま。」

「ああ・・・・流石にこの上品な味わいはな。ミルテもどうだ?」


「いただきます・・・・美味しい。」

「なあシモン、苦いのじゃが・・・・これはシモンにとって上品な味なのか?」


「ああ・・・・苦いのは本当に苦いぞ?飲んでみるか?」

俺はレシティアに進めたが、拒絶された。

「そんな事より、シモンは何か忘れておらぬか?」


うん?俺何か忘れてるか?

レシティアと何か知らない間に約束?


だが違った・・・・

「先の戦の首謀者じゃ!聞けばシモンのスキルで何処かへ連れ去ったとか・・・・」

「あ?何の事だ・・・・ってそうだ!あの2人を異空間に放り込んだままだった・・・・もうずいぶん日が経つぞ?もしや餓死したか?」


しまった・・・・あの2人を忘れてたよ。


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