21
ハンカチを取り出した胡桃さんの表情は動かない。
居たたまれなくなって、私は先手を打つ。
「趣味に合わなかったらごめんなさい。」
私の言葉に、胡桃さんはふっと顔をほころばせて言った。
「いや?こんなおしゃれなの持ってないから、嬉しい。センスいいね。ありがたく使わせていただきます。」
そう言って、大事そうにカバンにしまう。
そんな些細な仕草に、私はいちいちドキドキしてしまう。
本当に、使ってくれたら嬉しいな。
「ごめん、立ち話。」
「あ、いえ、こちらこそ。」
突然、胡桃さんが思い出したかのように言う。
私ったら、もうちょっと話したいだなんて、おこがましい考えだった。
平日の仕事帰り、コンビニに立ち寄った後は早く帰りたいよね。
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