その出会い、運命につき。

あさの紅茶

プロローグ

01

今日もいつも通り出勤。

満員電車に揺られながらぼんやり外を見る。


余裕で届く吊革に可愛げなく掴まって、眠いなぁなんてどうでもいいことを思ったり。

電車がガタンと揺れて、隣に立っている女性が私にぶつかった。


「すみませんっ。」


ペコリとお辞儀をして見上げてくる彼女は、吊革に掴まっていても揺れには弱いらしい。

私を見る目線が上目遣いなのは、彼女の背が低いことと私の背が高いことの相乗効果か。


「いえ、大丈夫です。」


そんな当たり障りのない返事をして、電車は駅へ到着する。


よくある日常。


何の代わり映えのない一日が、今日も始まるのだ。

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