奇行のワケ

その奇行ようすに興味を持った旅商人が、

姫に理由わけを訊く。


姫は、

な事があったり」

「痛いトコに」

「ヒスイのお石を充てたり、撫でたりすると」

「具合が良くなる。……気がする」

と述べた。


姫は、

「ヒスイのお石も、絵具えのぐになれる?」

と、尋ねながら。

巾着袋から、御自慢めいた翡翠石をいくつか取り出し、見せた。


旅商人は、

「これほど美しい石は……、見たことがありません。

 さぞ、綺麗な岩絵具に成る、ことでしょう」

と、驚いてくれたし、褒めてくれた。


ご満悦になった姫は。

早速、城の者達を、得意気に呼出し、引き連れ。

旅商人と供に、海へ、川へ、山へ。

翡翠を探す旅に、出た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る