久遠詣

薄暮冥々、火灯し頃、


相睦まじく、大切な人よ。


手と手を取り合い、


門くぐりて、閂締めて、


たゆたうもの振り払い、


まほろばの君よ。


更けゆく夜から、脣星落落、


ふと、戸外を見れば、


遣らずの雨降る。


ともすれば、現とも思えぬ、


真白き肌よ。


まほろばの君よ。


今よ、久遠たれと願う。

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