合格発表

ぼくは好きだ


あの瞬間が


ぼくは好きだ


息も白くなる冬と明けたばかりの空気と


電車の中の一息れ


降り立ったホームでため息をつきたくなる


次の瞬間には覚悟を決めてあるき始める


一瞬一瞬の躊躇いを削ぎ落としながら


心の水面が揺れないように足音さえ忍ばせる


ぼくは好きだ


並びたちそびえるような


数字の羅列を目にして


一心に見つめるその視線やその横顔


祈るような思いたちの交錯


はっとした瞬間に溢れ出る

そして、とめどないもの


うつむくもの


背を向けるもの


じっとうごかないもの


はじめての挫折や歓喜やとにかく何かがばくはつしていくから


でも、美しいから


ぼくは好きだ


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