回想
2008年。私が高校2年生の頃。
修学旅行では長崎、熊本へと行った。
事前学習では配布された参考書を読んだり、原爆についての映像を見たりとした。
しかし私はただただ冷めた人間だったのか、それとも感情を失くしてしまったのか。
それを読む気にもなれず、映像を見ても何とも思えずに旅行へと向かうことになった。
長崎では原爆資料館を見学し、夜には元ハンセン病患者の方のお話を聞いた。
ここでも何も感じられずにただ時間だけが過ぎていった、そんな気がした。
果たして、この”他人事”の感情を持ったままでよいのだろうか。という気持ちもぬぐいきれないまま、熊本の老人ホーム訪問へ。
ガイドさんの案内が、
「あそこに見えるのが――、慈恵病院。できたばかりの赤ちゃんポストがあります――」
という説明があった。
正直関心がなくニュースを見ない私であったが、「赤ちゃんポスト」というワードはなんとなくの存在で知り、心のどこかで引っかかるものがあった。
その病院の場所がいまいちわからず見ることはできなかったが――。
その引っかかる何かが良くも悪くも「自分を変えるきっかけ」となることも知らずに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます