LET IT DIE (OAO) - VELTPUNCH
今日はいまいち売れないのですが、めちゃくちゃカッコいい男女ツインボーカルのバンドを取り上げます。その名もVELTPUNCH(ベルトパンチ)。
このバンドを知ったきっかけは、熱狂的ファンである友人がカラオケで歌っていたからです。そして、何度か下北沢のライブハウスにも行き、素晴らしく楽しい時間を過ごしました。
VELTPUNCHは1997年から活動している長命バンドで、飛び込んでくる音の重なりの中にどこか憂いを帯びたフレーズと、Ba.Voナカジマさんのソフトな声とGt.Vo長沼さんの飛ぶような通る声が響いて、聴く人も思わずシャウトしたくなるような魅力を持っています。
歌詞は個性的なので紹介が難しいのですが、東京を舞台にした青年の苦悩を書いていると考えています。
正直、歌詞は「クライマーズハイ」という曲の方が好きなのですが、「LET IT DIE(OAO)」は素直にPVがカッコ良く、初めて聞く人が多いであろうので、どんなバンドか知ってもらうにはこちらが良いと判断しました。
それでは歌詞を見ていきましょう。
―――――
Did you listen to my song ?
ただ息を切らして
夢にまで見た東京で 煙ふかしている
I try to send you SOS
ただ 乱れたいんだSEX
振り切った十代の空振りはいいとして
…FUCK !
―――――
ドラムから始まり、ギターの音が乗って静かに始まるイントロ。その後、疾走感そのままに長沼さんの声、ベース、ギターが重なりぐんと厚みを増していき、最初の「Fuck!」で爆発します。いやー、カッコいい。メロディーもただ激しいだけのラウドロックじゃなく、この曲は特に音作りが好みです。
歌詞は売れないアーティストでしょうね。大振り三振を繰り返した若い頃はとうに過ぎ去った男。少し髭の生えた、若いともおじさんとも言えない男が、小さな鳥籠のような部屋で女と寝る。閉塞感ありありの毎日に嫌気がさしている。
―――――
1分間呼吸をしないで
昨日の反省が活かせない
緊張感も躊躇もなくて
理想は完全に崩れた
―――――
そして爆発する感情と行為。分かっているのに辞められない。その結果の理想崩壊と自己嫌悪。ここは、おのが事を叫ぶのに必死になって理想としていた歌い方が出来なくなってしまう衝動性が込められているのかな、と思っています。そして、この感性は性行為を通してベッドを共にしている女性にも向かっている。
このループをどうにかしたくて、いつもSOSを発しているんですが、相手にどう伝わっているか分からないし、SEXもつまらないし、相手は何故か自分を憎んでいる。袋小路に嵌った自分はまたどうしようもなくなって同じ行動を繰り返す。
―――――
失敗作を百個作って
乾いた風景にはめ込んだ
もったいないお化けと僕は
「希望」も「絶望」も捨てないよ!
―――――
失敗作でも全部取っておく。ここに片隅芸術家の苦悩が見れて面白いですね。僕も成功しない作品ばかり生み出していますが、そこには希望も絶望もある。片方だけは見れないし、片方だけを捨てようとも思えない。だから、ずるずるとSOSを発しながら、後悔しながらも駄作を書いてしまう。
そして、歌詞の最後の最後で出てくる彼女からのSOS。関係は終わってしまっているのに、求める関係。そのどうしようもない循環がこの曲に惹かれる理由なのだと思います。
でも、結局うごうごと考えていても仕方がないので、サウンドに乗せて叫ぶのが一番ですね。ロックは衝動性も魅力になりますから。叫びましょう。
曲の途中でDr.浅間さんがシャウトします。
―――――
絶対禁止 赤信号 横断
―――――
歌詞は笑いますが、行ってはいけない所に足を踏み込んでいる感じがぐっときます。
一緒にシャウトするとめちゃくちゃ楽しいので皆でやりましょう。
絶対! 禁止!!
LET IT DIE (OAO)
https://youtu.be/uxXOFzHPVWA
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