第16回 書き出し祭り/3-21『駄菓子屋主人のエテルナちゃん』感想

※小説家になろう様にて開催中の、第16回書き出し祭り参加作品への感想です。


あらすじの時点で絶対に夜の女王がエテルナちゃんだろう!と思っていたので、書き出し祭り提出分でそこが即座に明らかになっていて嬉しかったです。

タイトルとあらすじを見て期待するもの(今回の私でいう夜の女王=エテルナ)を早い段階で見せられるというのは、掴みとしてかなり強いのではないでしょうか。

しかもこう、クイーンの両サイドを固めるナイトとビショップって、その単語だけでテンションがあがりませんか?

私は上がります。

前半のシリアスでいて格好いい展開から、後半の気の抜けるような平和さへのギャップもいいですね。

こういう変身ヒーロー的なものって、戦闘パートと日常パートで緩急が付けやすいというメリットがあるなと思っているのですが、この作品も例に漏れず、緊張と緩和が上手いことついているなと感じました。


ちょっと気になったのは、文末ですかね。

『〜〜からね。〜〜からね』『〜〜叫んだ。〜〜殺気立った。〜〜持っていた。』みたいに、結構同じ文末で終わる文章が連続している部分があって、そこが読んでいてやや引っかかった感じがしました。

あえてその文末を選んでいたとしたらすみません、お気になさらず。

それと、恐らく①前半と後半のギャップを描きたい。②次話への引きとして誘拐の話題を出して終わりたい。この2点を行うためだと思うのですが、それを4千字でやるのはかなり難しいよなぁと。

メインが3キャラクターしかいないとはいえ、描写的には6キャラ分あるわけですし。

そこに裏世界の事情を匂わせ、悪人たちがやられる様を書き、駄菓子屋の営業内容に加えて子供たちの描写と誘拐事件の始まりですから、とんでもない情報量です。

大量の情報をまとめ上げていてお見事、となりつつ、もうちょっと夜の女王とその配下たちのカッコいいシーンの描写が欲しかったなと。

前半の描写をもう少ししっかり書き、後半部分はもういっそのこと【エテルナちゃんが寝坊→アイシャが起こす→眠い目をこすりながら支度するエテルナにベルグが「店が開くのを子どもたちが待ってるぞ」なんて声をかけ、駄菓子屋が開店する→開店を待っている子どもたちの中に、いつもだったらいるはずの猫耳少女の姿がない……】くらいに収めてしまってもよかったような気がします。

どこまで何を書くかのバランス、難しいですね。

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