2人で奏でる異世界デュエット

琢也

第1話 プロローグ

西暦2521年

「また今日も物騒なニュースばかりだね」



戦争、デモ、殺人いつの世になっても絶えないものである。

そんな中、いつもとは少し変わった出来事がおこる。



「緊急速報です!只今入った情報によると、現在21時日本上空で未確認飛行物体を確認したとの情報が入りました!隕石などの恐れもあるので、国民の皆様は出来るだけ外出を控えて下さい!また、外出している方は屋根のある建物に避難して下さい!繰り返します!現在……」




人里離れたある草原



「ドゴーーン!」


「--なっ、なんだよこれ……」


「人間なのか?」



そこには見た目は人間と変わらないがやけに背がでかく顔が整った男が立っていた。

そう、日本の上空を飛んでいたのは、未確認飛行物体でも、隕石でも無く人間のような生命体。



「こいつ生きてるぞ!」


「皆気をつけろ、あり得ないとは思うが、地球外生命の可能性もある……」



自衛隊、警察が銃を手にその生命体を囲む。



「あjき! dh?」


「こいつ何を話してるだ?」


「すいません! トイレはどこですか?」


「こいつ日本語話してるぞ!」


「この言語で通じるようですね。それよりトイレどこですか?」


「は? トイレ?」


「ここから1番近いトイレはどこ……ってあいつどこ行った?」


「いきなり消えた?」


「あースッキリしました! それにしても、このおにぎりはとても美味しいですね〜」


「お前今まで何処に居た?」


「何処って、向こうにあるコンビニでトイレ済ませておにぎり買ってきただけですけど?」


「--むっ、向こうってコンビニまで一体何キロあると思ってんだよ……」


「そんな事よりこの世界の生き物は物騒な物ばかり持ってますね。没収です! パチンッ!」


「な、何をした! 私たちの銃はどこにいった?」


「そんな事どうでも良いでしょう。あなた達にはこれを! パチンッ!」


「--な、なんだこれ⁈ ギター?」



その生命体が人間に授けた物は、楽器とマイク



「自己紹介がまだでした。私はアポロ、この物騒な世界を変える為ゼウスの命によりこの地球にやって来ました。」


「ゼウス? アポロ? まるで神話の登場人物じゃないか。」


「この世界に神はいますよ? ちなみに地球以外の世界も。」


「なっ……」


「世界を変えるには音楽だと私は思っています! もう武力で争うなんて止めましょう! その手で人を殴るのではなく、その手で素晴らしい音楽を奏で人々を癒しましょう! その口で人を罵るのでは無く、歌で人々を幸せにしましょう! 音楽で世界を変えましょう! さあ! 神も人間も異世界も関係無い素晴らしい音楽で世界を包み込みましょう! 音楽は世界共通です!」




この出来事から数百年後、世界は音楽一色に包まれる、人間も神もエルフもドラゴンもドワーフも皆が楽器とマイクを持つ世界、【ミュージックワールド】この出来事から物語が動き出す……




「行くぞ!エバ!」


「行こう!キッド!」

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