俺が好きなのはメインヒロインじゃなくて友人Aだ

転生しました！

　高校二年の夏。俺は死んだ。理由は良くある交通事故だ。

　ただ、一つ違う点を挙げるとするならば、俺は、一人の子供を守ったという事だ。

　普段の俺ならばこんな事はしなかったはずなのに、この日は何故か体が動いてしまったのだ。

　故に、彼女いない歴史=年齢の童貞野郎の命と引き換えに、未来ある若者を助け、名誉ある死を遂げたのだ。

　此処で俺の人生は終わる。

　そう思っていたのだが―――

　俺は目を覚ましたのだ。

　それは、死んだ人間には到底出来ない行為だ。

　じゃあ俺は生きてたのかって思ったけど、どうやらそうではないらしい。

　視界に映ったのは、日本と似ても似付かない場所。

　けれど俺は此処を知っている。

　何故なら此処は、俺が生涯で一度だけプレイした恋愛シュミレーションゲーム、通称ギャルゲーである、『ラブ×ハイスクール〜ドキドキ！キャッキャウフフなリア充生活始めました♡〜』の世界だ。

　つまり俺は、ギャルゲーの世界に転生したのだ。