蒼竜と少年

しまねこ

Prologue


 竜は哀しい夢を見る


 静かな森の奥深く、蒼い泉に守られて

 遥かな過去に失った、愛しい人の夢を見る



 自分の背中で笑ってくれた、優しく愛しいあの声も

 優しく触れた手の温もりも、永遠に続くと思ってたのに



 もしも願いが叶うなら、愛しい人の側へ行き

 今度は必ず守るから、何があっても守るから

 何度も何度も願って祈り、孤独の時間に慰められて

 竜は哀しい夢を見る



 蒼の泉の底深く

 再び逢えるその時を、何度も何度も願って祈り

 竜は哀しい夢を見る

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