第243話安芸制圧
安芸海岸線に勢力を持っていた水軍衆を全て配下に組み入れ、厳島神社の神領衆を屈服臣従させ、小早川家は忠臣を中核として家臣団の一翼とし、吉川家も不忠者を追放し実質家臣団に組み込んだ。
族滅などと言った過激な方法は取らず、反抗的な者達・裏切り癖のある者は、京に送って徹底的に性根を叩き直す軍事教練に参加させた。
俺が歴史を大幅に変えてしまった事で、月山富田城での戦いが史実より遅れて始まり、死ぬはずだった晴持殿が生き残り、これから山陰山陽の興亡は予測がつかない状態だった。だが安芸に関して、これからは俺の主導下で動くのだが、毛利家は大内義隆殿への手前手出しするのは止めにした。
残るは安芸武田家への介入なのだが、最初は若狭武田家から後見人を送り込む事も考えた。若狭を占領し、若狭武田家の嫡流は公家にして戦力を持てないようにした。だが傍流の分家は色々な戦場で戦わせてみた、中々優秀な者も多く、老練な武将もいれば若く武勇に秀でた者も出て来ている。特に種子島家の軍学校に入って学ぶ事で、メキメキと頭角を現す者もいた。
だが、この案は安芸武田家の忠臣達から猛烈な反対を受けてしまった。理由は武田信実が若狭武田家から当主として送り込まれたにもかかわらず、武田信重と家督を争いを起こしたこと。家臣の品川一門が香川家の居城八木城を攻撃する内紛が生じた時、何一つ有効な手を打つことが出来ず、佐東銀山城を捨て尼子家を頼って出雲に逃亡したこと。月山富田城の戦いで尼子家が勝利したにもかかわらず、臆病風に吹かれて京に逃げ、佐東銀山城を取り返そうとしなかったことの3つだった。
そう言われると俺としても無理に送り込むことはできないが、だからと言って無条件に安芸武田家を再興させて、城地を与える訳にはいかない。取り潰す予定の尼子家の影響下にある国衆・地侍の城地は接収するし、大内家の影響下にある国衆・地侍の城地も接収したい。色々な所に恨みを買って手に入れた城地を、無条件に武田太郎にくれてやる訳にはいかない。
武田家の忠臣たちが示した条件は、種子島家の娘を武田太郎の正室に迎えその子に家督を継がせ、安芸国分郡(安芸郡、佐東郡、佐西郡、山県郡)守護職を継承させると言うものだったが、俺には足利幕府が創り上げた守護の地位など何の意味も価値もない。
だがそれを正直に口にしてしまうと、少なくない国衆と地侍を敵に回してしまうので、今回は父上様と相談して、一門の娘を父上様の養女として輿入れさせる事にした。まあ与える城地は僅かな石高として、ほとんどの城地は種子島家の忠臣に与えた。
「老練な若狭武田一族」
武田元光:武田元信の次男
山県盛信:武田元信の四男(山県頼冬の養子)
内藤元是:武田元信の五男
春沢永恩:武田元信の六男・臨済宗の僧侶
「若く武勇に秀でた若狭武田一族」
山県盛常
山県盛景
内藤重政
内藤直則
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