第167話新商品
1542年12月7日『筑前・大宰府』種子島権中納言時堯・14歳
「玄武、交易の方はどうなっている?」
「は、本日遂に若殿が探しておられました砂糖大根を手に入れる事が出来ました!」
「そうか! それはでかした!」
「若殿の神通力で改良なされますか?」
「ああ、さっそく改良するが種は沢山あるのか?」
「はい、来年度から十分作付け出来るだけの種を確保しております」
「種子島家の各領地にあった改良を神通力で行うが、蝦夷や樺太でも耕作が出来るから、奴隷をもっと購入して数をそろえなければならん」
「台湾の開墾開発に多くの奴隷を送っております、蝦夷まで送るのは難しいと思われますが?」
「今までは樺太・千島・蝦夷・出羽・陸奥から購入していた奴隷を京や台湾まで運んでいたが、今後は蝦夷で砂糖作りに投入する」
「台湾・九州でも穀物の生産量は4倍になっております、アイヌや東国の奴隷を購入解放する資金や食料に全く不足は御座いませんが、責任者として送り込む大将を誰になされますか?」
「時立叔父上に、東郷重理・赤星親家・八並舎人・馬場頼周・於保宗益の大毅・二千長を副将に付けて、軍師として7人を選抜して派遣する。更には官吏として適正のある者と精強な兵を派遣する」
「それならば安心でございます」
「それと砂糖を搾った後の滓は家畜の飼料として使えるから、蝦夷地で軍馬や輓馬を繁殖育成する」
「承りました」
「諸外国との交易だが、交易湊を限ったが弊害はどの程度出ている?」
「戦闘艦隊や交易艦隊を諸外国に派遣交易しておりますから、特に問題は起こっておりません。諸外国船の交易湊から外された湊は、戦闘艦隊や交易艦隊・沿岸防衛・漁業艦隊の駐屯湊にし指定し、彼らが持ち帰った商品を国内商人に売っておりますから、ほとんど弊害らしい弊害はでておりません」
「そうか! それなら安心だ、最近は畿内の問題で忙しくて、九州の動静を詳しく調べる時間がなかったので心配していたのだ」
「普段からご指示していただいているように、少しでも異変があれば報告させて頂きますから、ご安心下さい」
「頼んだぞ、それでは台湾と九州の輸送に必要な艦船は数が足りているか?」
「ご安心下さい、明国から大量のジャンク船を購入しておりますから大丈夫でございます」
確かにジャンク船の輸入は順調だ、代価も真珠と高級品の石鹸・シャンプー・蝋燭・酒類に、明国人が大好きなフカヒレ・干ナマコ・スルメ・干鮑・干貝で十分支払いが可能だ。塩干物は蝦夷・樺太・千島のアイヌから購入しているが、支払いには明国や東南アジアで購入した穀類で支払っている。九州・台湾で作付けした美味しい穀類は、種子島家で消費したり、超高級酒を醸造する原料に使用した。
牛乳・卵・砂糖黍の生産が順調に増えて来たので、カステラとカスタードクリームを生産し始めたのだが、新商品として飛ぶように売れている。
「蝦夷派遣予定部隊」
種子島時立:蝦夷国司
東郷重理:副将・大毅・二千長
赤星親家:副将・大毅・二千長
八並舎人:副将・大毅・二千長
馬場頼周:副将・大毅・二千長
於保宗益:副将・大毅・二千長
鉈峰舎重:軍師・小毅・千長
仏具親威:軍師・小毅・千長
已上家古:軍師・小毅・千長
悪虫頼師:軍師・小毅・千長
狄塚宗善:軍師・小毅・千長
渓斎理利:軍師・小毅・千長
甑岳畝春:軍師・小毅・千長
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