第17話 警察の取り調べ
園山とわたる先生はしばらく取り調べ室で向かい合い沈黙が続いている。
「何故、喜恵ちゃんを自宅に連れて行ったんだ?」わたる先生は、ため息をついて「だって、喜恵ちゃんの意志が家に来たいだったから。そりゃあ、両親からあれだけ虐待をされていたらそうするよね。」
園山は、タオルで額の汗を拭いて続ける。「…じゃあ何故喜恵ちゃんの両親まで殺したんだ。」急に怒った表情になったわたる先生は「喜恵ちゃんに何回聞いても、親のもとには帰りたくない。だったし、それに児童相談所に保護されて自宅に帰った後の喜恵ちゃん…すごく可愛そうだった。いつもよりひどくあざがいっぱいで、喜恵ちゃん泣きながら俺に助けを求めてきていた。もう、家も児童相談所も嫌だって。最初は両親を反省させるつもりだった。けど、大人しかったのは最初だけ、両親は数日後には喜恵ちゃんの安否よりもパチンコ屋に行くようになって行って…子供いないとパチンコ出来て楽だねとかほざいていて、許せなかった…」わたる先生の手が怒りで震えている。園田は、わたる先生の醸し出す表情がさっきとは全く違うのに恐ろしさを感じる。
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