【く】

 唇が触れるほど

 近いあなたとの距離に

 背筋がゾクリとするほどの喜びを得る


 これが幸せな恋なら

 喜んで流されてしまいたい


 あなたとこの距離でいることを

 本当は何よりも求めているから



 それでも屈折した勇気を盾にして

 私はあなたを拒絶する


 絶対ではないけれど

 今この唇を得ることを

 いつかきっと後悔するから



 唇を噛み締めて

 私はあなたを拒絶する



 私はあなたを拒絶する

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る