中年が恋して何が悪い!
きゃんめる
プロローグ
設備工事会社の部長である東条は、1年に1回ぐらいのペースで、中国の子会社へ現地社員の技術指導に行っている。
「東条君、中国出張はいつだっけ?」
上司から出張日程を聞かれた。
「はい、来週からです」
「顧客も一緒だから接待もしっかりと頼むよ!現地の責任者には私からも連絡をいれておくから」
「わかりました。お願いします」
今回で中国への出張は6回目だ。
当然、年1回程度では中国語など話せるわけも無く、通訳を介しての指導である。
中国という国に、ほとんど興味が無かったのも覚えない理由の一つかもしれない。
しかし、今回は少し状況が違う。
日本の顧客が中国に工場を建てるとのことで、私の会社に設備関係の仕事の依頼があったのだ。その打ち合わせがメインである。
出張期間は5日。実際には移動日があるので実質4日しか滞在出来ない。
今まで5回訪問したが、会社と会社の寮を行き来するだけで、外出といえば晩飯に日本料理店がある繁華街に行く程度だった。
現地日本人駐在員からクラブやカラオケなどにも誘われたが、一度も行ったことは無かった。別に酒を飲むのが嫌いな方ではない。ただ、中国という慣れない土地というのもあったし、外国のカラオケなどにあまり良い印象を持っていなかったのだ。
実際、日本でも風俗やキャバクラのようなところは一度も行ったことが無かった。結構、真面目なのである。
今回は顧客と一緒ということもあり、仕方なく日本語が少し通じるクラブへ同行することになった。
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