私は寮に帰る!

 「魔力はつまり...」


 「...」


 「ですから...」


 ドロシーがずっと黒板を埋めながら説明してくるんだけど耳を右から左に抜けていく 皆は熱心に聞いたりメモを取ったりしているんだけど私は全然集中する事が出来ない、まだおいてかれる様な授業では無いのが救いだけど


 「...」

 「マルガ様?...ずっと外を見ていますけど...どうしました?」

 「...ん?あー、ちょっと考え事してたの、気にしないで」

 「そうですか...何を考えていたか聞いてもいいですか?」

 「...そうね...昔とっても好きになった人の事を考えていたわ?」

 「恋愛ですか!聞きたいです!」

 「また今度ね?そんなに大きい声出してたら先生に怒られちゃうからね?」

 「絶対に聞かせてくださいね!...お姫様の思い人っていう話で使えそうですぅ...」

 「あら?何に使うの?」

 「私の趣味の書物です!」

 「そう...使うのはいいけど名前とかは変えてね?」

 「それは勿論です!」


 ユーナは書物をしているのか、でも私の好きな人が女の人って実は割と重大発表だったりするのだろうか?もしかしたらパパとママは少し困ったかもしれないけど私が好きなんだからしょうがないよね...もうミツキと連絡が取れなくなって5年経つしそろそろ諦めないといけないのかなぁ...どうせならベスティアに一回行ってから諦めたい...その為に今学校に行ってるんだけど...早くミツキに会いたいなぁ


          ◆◇◆◇


 「今日はこの辺りで終わります、聞きたい事あったら見かけた時に聞いてください、因みに先生は定時になったら帰るので聞くときは早めに聞いてね」

 「分かりました~!」


 今回ドロシーが説明してくれたのは最初に私に教えてくれた内容と殆ど一緒だった、違う部分もあったけど結局ドロシーが人に魔法を教える時に内容は変わらないみたいだ、ただやっぱり学校だからなのか暗記させる内容が多かったと言えば多かった

 さて今からお昼食べて...午後にも授業があるのかな?流石に初日からずっと学校に缶詰めはきついからお昼食べたら帰りたい...


 「ドロシー...先生、今日っていつまで学校...?」

 「今日はここまでよ、お昼ご飯食べたら帰っちゃってもいいし残って勉強してもいいわ、図書館は地下にあるから行きたいなら行ってもいいよ」

 「それはまた今度行く...そうかぁ...帰っていいのかぁ...」

 「せめてお昼くらいは食べなさい?...ルクロンで友達ぐらいは作った方がいいわよ」

 「...それもそうだね」

 「...マルガ様ってドロシー先生と知り合いって言ってましたけど何処で知り合ったんですか?」

 「んー?自己紹介でも言ってけどドロシーが私の魔法の先生していたの」

 「なるほど...つまりドロシー先生に教えて頂ければマルガ様みたいになれるんですね?」

 「...その人次第じゃないかな?私はそんなすごい人じゃないし」


 ドロシーは人に教えるのがうまいし私が魔法の基礎を出来るようになったのも結局はドロシーの教えだ、基礎が出来ているから応用が出来る、何事にも通じる大事な事だね、何をしていても一番の芯が出るのは基礎だから だから私は基礎を一番鍛える、体力?知らない子だね


           ◆◇◆◇


 結局三人がお昼に誘ってくれたのだけど私がいまいち気分が乗らなかったので初日から寮に引き篭もる事にした 悪いという気持ち事態はあるんだけどそれよりもメリーに聞きたい事があった 本当は学校が始まる前から聞こうと思ったんだけど今日までタイミングが無かったからずっともやもやしていた という訳でまっすぐ寮へ向かう 


 「...ただいまぁ...」

 「おかえりなさい、友達は出来ましたか?」

 「...出来たと思うよ...ふわぁ...」

 「それはよかったですね、それでお昼も食べずに帰ってきてどうしました?」

 「聞きたい事があって...メリーに」


 ずっともやもやしていたけどその時は消沈していたし聞く気にならなかったけどやっと聞く事が出来る


 「...なんで今学校に行った方がいいってママとパパに言われたか分かる?」

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