私は授業を受ける!②

 「初めまして、この学校で主に算術を教えています、カーネスです、カーネス先生でも先生でもいいのでよろしくお願いします」


 最初の授業で来た先生は男の髭がもっさもっさしている先生だった あそこまで髭を伸ばすのってすっごい邪魔になりそうだけど忍耐力があるのかそれとも普通に髭が伸びているのがかっこいいと思っているのか、私?私は髭は無い方が好きかなぁ...

 いけないいけない、いくら授業に集中できないからって別の事考えるのは分かるけど髭について考えるとは思ってもいなかった 一応ちゃんと受けるって言ったからにはちゃんと受けないと


 「といっても私は皆さんとは今日が初めてなのでどれだけ出来るのか分からないので簡単なテストを作ってきました」

 「えー」

 「いきなりテストですか...?」

 「テストとは言いましたが皆さんがどれだけ出来るのかが知りたいだけなので分からなくても何にも影響しません、勉学は今出来なくても勉強して出来るようになればいいのですから」

 「なるほど...分かりました!」


 そういうテストは何ていうんだっけ...実力テスト?よく分からなくなってきた 何故か皆やる気出てるし...適当にちょいちょいちょい~ってやってしまって寝てしまおう、テストで寝るのは問題が無いはずだ! こんな授業でも二時間ちょっとあるから大変だよね それにもし難しい問題ならそれはそれで頑張ろうって気になるからね まだやる気をなくすには早い!


        ◆◇◆◇


 なんて少しやる気を出した自分を叩きたい 普通に考えてこの世界の算術って基本的に四則演算なんだから難しい訳が無いじゃない 私は前世で勉強が出来たかって言われたら全然出来なかった部類に入ると思うけどそれでも小学生レベルの計算なら簡単だよ! 残りの時間どうしよう...外を眺めておこう、朝それで時間を潰したみたいに木に住んでいる鳥を見ておこう


 「...おや?マルガ様はもう終わったんですか?」

 「?...あぁ、終わりましたよ」

 「まだ始まってから20分も経ってないのですが...解答してもよろしいですか?」

 「どうぞ?」


 先生が私の解答用紙を持って行って解答している 木をぼーっと眺めているんだけど周りがざわざわしているのが聞こえた、どうしたんだろう?


 「...マルガ様がもう終わったって本当か?」

 「早すぎないか...」

 「さすが生徒代表...」

 「くっ...早く僕のそのレベルにならなければ...!」


 どうしてそうなった、まぁ算術だから早い訳だけど流石に他の授業になったらこうはならないだろうしもうこの授業はこういうもんだと思って次の授業に期待しよう 余った時間どうしようかな


 「マルガ様、満点です。」

 「...どうも...」

 「時間がかなり余りましたがどうしますか?」

 「...別に...皆が終わるまで外見とくから大丈夫」

 「分かりました」


 教師まで私に敬語を使って...王族はそこまで偉いのかな?まぁ偉いんだろうけど、なんだろう?圧倒的年上に敬語を使われると背中がそわそわして痒くなる 王族らしくもっと偉そうにしておくべきなのかな...


      ◆◇◆◇


 「やっと終わりましたぁ...」

 「僕もやっと終わったよ...やっぱりここの問題は難しいな」

 「私は全然解けなかったわ!...算術は苦手なのよね...」

 「マルガ様早かったですね...!流石です!」

 「しかも満点でしょ!マルガちゃんとっても凄いわ!」

 「そんなにだよ...たまたま」

 「マルガはもっと自信を持つべきだと思うけど...まぁそれは自分で持つものだ!そこは頑張ってくれ」

 「シルクは自信満々だね...ふわぁ...」

 「...訂正するよ、自信じゃなくてやる気だね」


 まぁやる気が無いのは事実だからどうしようも無いけど 自信が無いのも事実だししょうがないよね 未だに人の目を見て話をする事出来ないし 

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