私は一人で仕事をする!

 「ほら..起きてよ...」

 「...うーん...眠い...」

 「マルガでしょ?この時間に起こして欲しいなんて言ったのは」

 「...うぅ..そうだけど...流石に陽が昇る前に起きるのはきつい...」

 「バレない様に行くんでしょ?私は今でもミツキと行った方がいいと思っているけど?」

 「...私の仕事だもん...迷惑はかけれない...」

 「迷惑じゃないと思うけどなぁ...」


 因みにミツキさんは私の部屋で眠ろうとしていたけど私がだめと強く行って泣く泣く部屋に帰っていった 流石に同じ部屋で寝られたらこっそり行く事が出来なくなる気がしたんだよね というか抱き枕にされて起き上がる事すら許されなくなりそう 


 「...早いぃ...」

 「ほら、行くって決めたらさっさと歩く、ギルドまで歩く」

 「...リーアがスパルタだぁ...」

 「自分で決めたぐらい頑張りなさい」

 「それはそうだけど...」


 というかこんな時間にギルド空いてるのかなぁ?空いてなかったらお昼から行くことになるけどバレずに行けるかなぁ メリーとセバスチャンにバレない様に家を出るってかなりハードじゃない? というか無理だよね なんて思いながらギルドへまっすぐ歩いていく

 流石にこの時間に私の様な子供が歩いているのはかなり珍しいのかすれ違った人達にジロジロと見られる なんかそんなに見られるとソワソワしちゃうな


 「...おー、空いてる...」

 「まぁ夜中に持ち込みとかあるだろうし空いてるだろうね、大丈夫?マルガの知ってる受付の人じゃないかもよ?」

 「......気合で頑張ってみる」

 「不安しかないわね」


 リーアがため息をつきながら肩に乗っている 最近リーアがよく姿を出しながら私の前に居るから

 「姿を見せて大丈夫なの?」と聞いたら

 「貴女以外には見えないから大丈夫よ」

 なんて言ってきた 一体どんな原理だろう?魔法だとは思うけど予測もつかない 流石リーア、私が知らない魔法を沢山知っている


 「...」

 「そんな恐る恐る入らないでよ、何か狙っているみたいじゃない」

 「ち、違うっ...これは単純に怖いだけ...」

 「あら?マルガちゃん?どうしたのこんな時間に」

 「あ...よかったぁ...サラさんだ」

 「何がよかったのか分からないけどマルガちゃんがよかったならいいわ、ミツキさんとかは?」

 「実はこっそり来てる...あんまりミツキとかに教えないで欲しい」

 「...危ないよ?...まぁどんな事をしにきたかによるけど...」

 「依頼を受けにきた...私に指名依頼入っていると思う...」

 「あら?ちょっと待ってね?調べてくるから」


 そういいながらサラさんは調べに行ったのか受付に中に入っていった 流石にこんな早い時間だと人は居ないのかとか思ったけどよく見たら併設している居酒屋らしき所で沢山潰れている人が居た 多分お酒を沢山飲んだんだろうなぁ... あ、でも潰れてない人も居る そういう人はどうやらちびちびお酒を飲んでいるみたいだ


 「戻ったわよ...あらマルガちゃん?お酒に興味があるの?やめといた方がいいわよ?」

 「お酒って子供が飲んでもいいんですか?」

 「あんまりお勧めはしてないけど...特に禁止とかはないわよ?ただ美味しくないわよ?」

 「...なるほど...」

 「それで、マルガちゃんに指名依頼は入ってたわよ、吸魔石の探索と人の捜索ね」

 「...人の捜索..その人の特徴とかってありました?」

 「あるわよ、ええと...名前はコナー・ブラウン、貴族で髪は金髪で短め 蒼眼で目の下に黒子があるらしいわよ」

 「...なんとなく想像はできました...分かりました」

 「今から出発するの?危ないわよ?ミツキさんを連れていくか明るくなるのを待った方がいいと思うけど、最近近くに盗賊が住み着いているらしいし」

 「大丈夫です...お昼とかにミツキさんとか来ても私は見てないって言ってください!」

 「...それは...うーん...約束しかねるわ」

 「な、なんでですか?」

 「マルガちゃんが危なくなったら誰が助けに行くの?」

 「...それは...」

 「だからもしミツキさんが来たらマルガちゃんが依頼を受けた事自体は伝えるわ」

 「...わ、分かりました...」


 どうしよう、サラさんの表情を見てる感じ絶対伝えるしなぁ...こうなったら出来るだけ集めてバレる前に帰ろうかな? まぁなんとかなるでしょ!

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