第55話

ほ〜う、ほうふぉう。

ひっかけか。な〜るほどね。

こうやって僕のイライラを加速させていくわけですか。

僕をキレさせるなんて大したものですよ。

ええ、はい。


という現実逃避を済ませてマスと向き合う。

またかぁ。

さっきと同じくらい時間をおけば大丈夫かな。

しばらくそのまま待つ。


ダメだ。

絶対さっきよりも時間が経ってるのにサイコロを振れない。

時間の経過っていうのは違うのかなぁ。

他に進めた理由があるのかも。

さっきの行動を振り返ってみる。

何かあったっけなぁ?

ただ進む方法を考えてただけで……。

ん?そういえばその後ふらふらだったから、回りながら考えてたってことだよな。

回りながら……。

もう一度その場で、今度は意識的に回ってみる。

ぐるっ。

手からサイコロが落ちる。

どうせ離れないからとしっかり握ってなかったし。

……

やっぱり。

わかったぞ!

謎は多分解けた。

僕は間違っていたんだ。

『一回休み』の読み方を。

‘いっかいやすみ’じゃなくて……

‘ひとまわりやすみ’だったんだ。

よく見ると‘回’のあとに小さく‘り’って書いてある。

マジで恐ろしいほど小さい。

僕も見逃してたよ。

……

ってなんだそれ!

トイレ休憩みたいな。

一回回るための休みか⁉︎

なんじゃそりゃ⁉︎

謎が多分解けたところで(あくまで憶測でしかない、けどもうこの『一回休み』のマスには止まりたくない。フリじゃない。ホントにフリじゃない。)進む。

サイコロの目は5。

5つ進んだ先にはまた『一回休み』のマスがあった。

ええ、分かってました。

なんかフラグが立ってたもんね。

その場でくるっと回る。

サイコロを振って先に進む。

僕の説は正しかったみたいだ。



というかこれいつまで続くんだろう。

どうやったらゴール?なのか。

まさか永遠に終わらないとか。

しかしまぁ、永遠なんてものはなく、終わりは必ずある。

そしてその時は訪れた。

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