第407話 高橋君の怖い話~友達が・・・。 中編~

「当時、小学校の頃からの幼馴染のAとB、そして父さんは大親友だった。それは中学生になっても変わらなかった。」


『なぁなぁ!お前らは恋したいと思わん?』

『はぁ!?恋ぃ?お前何言ってんだよ。』

『ハハハ!こいつリア充に憧れすぎ!』

『うっせ!じ、実はよぉ。お、俺な、恋、しちゃったかもしれん。』

『は?まじぃ?』

『お前が恋?いがぐり頭のくせに?冗談きついぜ。』

『いやいやマジだって!ってか、いがぐり頭は関係ねぇだろ!ブッ飛ばすぞ!』

『悪い悪いって。んで?誰に恋したんだよ?同じクラスのC子?それとも高嶺の花のD先輩?も、もしや小学生に・・・お前、無いわぁ。』

『勝手に言ってろ!実はよ、知らねぇんだ。』

『知らねぇって・・・どういうことだ?』


話を聞くと、部活帰りに公園でブランコに乗っていた少女に恋をしたらしい。

見たことない美少女で、名前も知らない。

けど、一目惚れしてしまったらしい。

父さんとBはどれ程の美少女なのか、それが気になって見に行くことにしたんだ。


『どの子だ?小さい子しかいないみたいだが?』

『あの子はもっと遅くにしかいねぇんだよ。』

『何だそりゃ?』


そう言うAに従って日が沈むまで待ってみると、いつの間にかその少女はブランコに座っていたんだ。驚いた。ずっと入り口を見張っていたと思っていたからな。

それでその子に声を掛けようと思って近づいて見ると。


『ひっ!?』


その子は真っ黒な目をして、ニタニタ笑っていたんだ。

不気味にな。

父さんはビビッて逃げてしまったんだ。

そんで次の日、そのことをAに謝ろうと思って学校に行ったらAとBが盛り上がっていてな。どうしたんだろう?って思って聞いたんだ。


『こいつ、やりやがったんだよ!』

『いや~へへっ。』

『やったって何を?』

『あの子をデートに誘った。』

『え!?』


当然父さんは驚いた。あの子は美少女なんかじゃなく、間違いなく化け物だったからだ。でも、友人の幸せに泥をかけるようなことは出来なくてな。だから適当に話を合わせたんだ。そしてデート当日、つまりクリスマスイブにAは失踪してしまったんだ。

「失踪って・・・何があったの?」

「わからない。けど、次の日のクリスマスになっても息子が帰ってこないって親御さんから電話があってな。結局、父さんは今でもAには会えていないんだ。」

「そんな・・・。」

「それでだ。一ヶ月ぐらい経った頃かな。その原因はあの子にあるって言いだしたBがあの子を問い詰めに行ったんだ。もちろん、父さんもついて行った。Aのことが心配だったからだ。」


『おいあんた、ちょっと話聞かせろや。』


Bはかなり声を抑えてはいたが、相当に怒っていた。

そりゃそうだ。あの子は父さんたちを見ると、ニタァって笑ったんだ。

まるでAがいないことを何とも思っていないようにな。

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