第350話 百物語合宿~お題:ウィジャ盤 前編~
さて、最後もまた式子さんの話し。
これを披露しようと思いますが、その前に!
まずは僕が個人的に聞いてもらいたい話をピックアップします。
もちろん、僕の話し・・・。
「僕のお題はっと・・・へ?“ウィジャ盤”?それってあの・・・。」
予想外なお題だなぁ。
「ああ。そのウィジャ盤だ。」
「その反応・・・式子がこのお題を?」
「ああ。皆の知識も確認したいからね。どうだい?話せるかな優君。」
「まぁ、一応話せますけど。」
「それなら問題ないでありマスね。」
「では、聞かせてくれ。」
「えっと、これはある男性の話しです・・・。」
これは俺が大学生の頃の話しです。
当時の俺は、彼女がどうしても欲しくて、いろんな部活やサークルを体験入部と称しては女性の品定めをするという最低な行いをしていました。
その結果は散々で、綺麗な女性、可愛い女性はほとんど彼氏持ちばかり。
バイト先で好きになった女性に告白してもフラれ、結局彼女も出来ないまま大学生活をどんどん消費していく毎日でした。
そんな時、煙草を吸おうと構内を歩いていた時でした。
「はぁ~。彼女が欲し~い~な~っと。ん?」
誰も見ないような掲示板に一枚の張り紙が貼られていました。
『黒魔術研究会。入部希望者募集中。場所は・・・。』
そう、黒文字で書かれているだけのポスターを見つけたのです。
「黒魔術研究会?聞いたことねぇな。こんな・・・サークル?みたいなもんあったんだなぁ。」
最初は気にもせずに通り過ぎましたが、だんだんと日を追うごとに気になりだし、タイミングよく講義が休講になったので、訪ねてみることにしたのです。
「場所は・・・って、ここか?」
それは階段下の倉庫のような場所。
扉の汚れ具合から今は黒魔術研究会が無いようにも感じたのです。
「やっぱやめに・・・。」
「どちら様でしょうか。」
「ひゃい!?」
突然後ろに女性が立っていたのです。
顔は見えず、髪が床ギリギリまで伸び、服も長年来ているようなワンピース。
ハッキリ言えば、ホームレスと言われても信じるような風体だったのです。
「あ、その・・・。」
「もしかして、入部希望者ですか?」
「あ!そのここって・・・。」
「ようこそお客様。こちらは黒魔術研究会になっております。ささ、どうぞ中へ。」
弱々しい雰囲気はすぐに消え、半ば強引に俺は黒魔術研究会の部室に入らされました。
中は外に比べて比較的綺麗ではありました。
「さて。こちらでは様々な黒魔術研究の歴史を・・・。」
「あ~・・・その、まだ入るかどうかは・・・。」
「そ、そうですか。」
明らかな女性の落ち込みに、俺はとりあえず話だけでも聞いてみることにしたのです。
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