第45話 オカルト研究会に相談事~高橋君その4~

「それで式子、俺を呼んだ理由を尋ねてもいいかな?」

「ああ。もう一度話を聞きたかっただけだ。」

「んふふ。それで、どうだったかな?もう一度同じ話を聞いて。」

試すような神楽坂さんの視線が式子さんに降り注ぐ。

けれど、全くもって気にしていない。

「ふむ。確認したいことが出来たかな、安中君に。」

「安中さんに何を確認するんですか?」

「お婆様に赤い手が見えた場所は聞いたが、死因は聞いていない。もしこの話が安中さんに関係があるというのなら安中さんのお婆様の死因はこの辺の病気となる。」

式子さんは自分の胸の部分を指さす。

「それから星夜、君に一つだけ確認したい。」

「何でも聞いてくれよ式子。」

「死神さんは何故消えた?」

確かにそうだ!

仮に神楽坂さんの話と安中さんの今の現状が同じなら安中さんは・・・。

「ん~それはわからないな。」

「と、いうと?」

「俺はこの話を三人の人物から聞いたんだ。だが、その落ちだけは共通していない。一人は消えたというだけでどうして消えたかの理由はない。もう一人は死神さんは転校したと話した。最後の一人は死神さんは暴行されたのが原因で亡くなったと話してくれた。どちらにしろ死神さんはいなくなってしまったからね。俺は最後の落ちは消えたという方が想像力を養えると思い、採用したに過ぎないよ。」

「なるほど。」

「ていうかさ、これって全て物語でしょ?」

黙っていた柑奈さんが会話に入ってくる。

「そうだな。」

「ならさ、安中さんに見えているっていう真っ赤な手もただの見間違いってことはないの?」

「で、でも!実際にあんなに悩んでいるし、お婆ちゃんは亡くなってるし。そ、それに!安中さんが嘘をつくようにも!」

「わかってるわよ!けど、変な話でしょ?人の病気、もしくは死ぬ人が分かるなんて。」

「それは!・・・そうですけど。」

パンっと手を叩く音が響く。

「これ以上の議論は空想の延長戦で終わりそうだ。直接確認してみよう本人に。」

そう言った式子さんは部屋を出て行き、安中さんと高橋を連れて戻って来た。


「というわけで確認したいのだが、安中君のお婆様の死因を答えてくれないか?」

「わ、私のお婆ちゃんは一応・・老衰です。」

「一応とは?」

「原因がわからなかったんです。体調は良くないのに、何が原因かわからないままにお婆ちゃんは亡くなったんです。」

「ふむ。では最初の入院の原因は何だい?」

「検査入院と母から聞きました。」

「式子、俺から子猫ちゃんに話を聞いてもいいかな?」

「私は構わないが?」

「では子猫ちゃん、俺の簡単な質問に答えてくれないか?」

何を聞くのか少しだけ緊張するが、神楽坂さんの自信満々な顔に望みを賭けるしかなかった。

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