295話 リザード副官最終戦
前回のあらすじ!
オーラを回復した私、天河紫音は足にオーラを纏わせることで、滑る氷の床を滑ることなく颯爽と前線に戻り、リザード達を女神武器ムラクモブレードにオーラを注ぎ込んで作り出したオーラの大太刀で、次々と一刀両断して倒していく!
「よーし、今回も活躍するぞ~!」
「ちょっと、ダメダメ先輩! 何、氷の床で盛大に転んで涙目で帰ってきたことを、無かった事にしているのよ! 前回の話の内容の半分以上が、無かった事になっているじゃない!?」
「ソフィーちゃん、何を言っているの? このデキるラノベ主人公のお姉さんが、氷で足を滑らせて転び、あまつさえ涙目で帰ってくるなんてこと、あるわけないjyない」
「動揺して、最後噛んでいるじゃない!」
ソフィーのツッコミが決まったところで、本編へどうぞ
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「はあああ!」
レイチェルがゲイパラシュを振り下ろすと、副官クチビロは後方に跳躍して回避する。
すると、そこにスティールが斬撃を繰り出すが、クチビロは尻尾で地面を力強く叩いて、更に後方に回避した。
「はあっ!」
だが、そこにオーラステップで急加速して背後に迫った紫音が、オーラの大太刀で追撃を行い、後方に跳躍中であったクチビロは回避する事ができずに、持っていた両手持ち斧を盾にするが、当然防ぎ切ることができずに胴体に横一線のダメージを受ける。
副官でなければ、横に真っ二つになっているところであるが、それでもかなりのダメージを受けたクチビロは明らかに弱っている。
弱ったクチビロでは、もはや三人と援護のリディアによる連携した猛攻を防ぎ切ることはできず、最後に紫音の鋭い斬撃を受けて、断末魔を上げた後に魔石へと姿を変えた。
クチビロを撃破した四人は薬品を飲みながら、集まるとスティールは一同に援護に対する感謝の言葉を述べる。
「レイチェル殿、リディア殿、シオン君。援護感謝する」
そして、言葉を言い終えた時、紫音を見たスティールは以前とは違うその変化に気づく。
(まるで、何十年も修行した達人のような雰囲気を漂わせている)
そして、それはリディアも同じであった。
(これが、【無念無想】状態のシオンさん… いつもとはまるで違う、別人のように落ち着ているわ)
(シオン君がここにいるということは、アリシア様との百合百合が終わってしまったということか… くっそーーー!!!)
心の中で慟哭するレイチェルは、通常運転であった。
紫音達は、薬品で消耗したオーラを回復させると、最後の副官シャムと戦う<鷲の爪>団長ロジャー・バロウズの援護に向かう。
そして、スキルランクA以上の冒険者5人の連携の前に、シャムは奮戦虚しく魔石に変化する事になる。
その頃、アキはヒュドラとの戦いに、四苦八苦していた。
その理由は、ヒュドラの首を全て撃破したズゴーレムが、胴体に何度も両手のクローを突き刺してダメージを与えていると、再生したヒュドラの首がズゴーレムに攻撃をしてくるからで、そのなるとズゴーレムは胴体への攻撃を中断して、再び首への攻撃を始めなくてはならない。
「冗談じゃない! これじゃあ、モグラたたきだよ。いや、ワニワニのほうか…」
アキはそう言いながら、魔力回復薬を飲んでMPを回復させつつ、忙しくズゴーレムに命令を出している。
副官を全て撃破した冒険者たちは、それぞれ消耗したオーラやMPを回復させると、今度は四天王と戦っているユーウェイン達の援護に向かうが
「シオン君とリディアは、アキ君を援護してヒュドラを倒してくれ!」
彼からは次のような指示が飛ぶ。
「わかりました! シオンさん、ヒュドラを倒しに行きましょう」
「はい」
紫音にユーウェインの指示を伝えたリディアは、彼女の返事を聞いてから後方にいる妹の方を見ると手招きをする。
リズは気づかなかった振りをしようとしたが、後でバレて怒られるのは目に見えているので、仕方なく前線に向かうことにする。
「ノエミ― 」
ソフィーがアフラと回復のために後方に来ていたノエミに、護衛も兼ねてリズと一緒に行くように頼もうとすると、彼女は既にリズの後を追いかけ始めていた。
「ソフィーさん。わたくし達も、もう少し前に出てもよいのではないですか?」
「そう… ですね。その方がいいかもしれませんね」
ソフィーは前線がかなり前になっているのを見て、援護に向かう時に直ぐに対応する事を考え、アリシアの提案を受け入れると
「ミリア、アフラ、私達ももう少し前に移動するわよ」
ミリアとアフラにも一緒に来るようにと指示を出す。
「おっけー」
「(コク)」
アフラは元気よく、ミリアは黙って頷くという対称的な返事をすると、四人は少しだけ前に出て前線の様子を窺う。
「ハイオーラアロー!」
「いけっ! GMファミリア!」
リディアと紫音は、遠距離攻撃でヒュドラにダメージを与えるが、あまり効いているようには思えない。
「オーラの大太刀で、接近戦を仕掛けたほうがいいですかね?」
「巨体のアキさんのゴーレムとヒュドラが、戦う足元で戦うのは危険だわ。それに、何よりアキさんの邪魔になるので、ここから遠距離攻撃に徹しましょう」
紫音の提案をリディアは、そう冷静に状況判断して却下する
リディアの判断通り、紫音が足元で戦えばアキに余計な気を使わせることになり、彼女の負担になるであろう。
「お待たせッス!」
「ホーー」
しばらくすると、リズとノエミが合流する。
「よく来てくれたわね、リズ。それに、ノエミさん」
「(コク)」
リディアの言葉に、ノエミは頷いて応えるとその後にリズがボソっと呟く。
「感謝の言葉をくれるなら、始めから強制参加させないで欲しいッス…」
「リズ、何か言った?」
リディアは妹に笑顔を向けながら、そう尋ねたが明らかに怒っている。
「何でも無いッス… 」
リズはその姉の圧力に負けて、大人しくミーに攻撃命令を指示する。
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