ルードア王国
「アイリスそれじゃあ5年後お願いね」
「任せてクロウ」
どんと胸を叩くアイリスは胸が大きいせいでどんとはいかないがそんなことはどうでもいいか
まぁアイリスに基本任せておけば大丈夫だ
そして僕は3000年前に飛んだ
*******
2025年2月3日
ここは科学という概念があまりない剣と魔法の世界ルードア王国だ。今日はクロウが転生してから5年目そう約束の日が来たのだ。そんなことなど忘れているクロウはいつも通りはベットから起き上がりメイドから水をもらう
「.......そうか本当に忘れているものだな。5年ぶりになるのかなアイリス。なんか不思議な感覚だ。アイリスと3000年後の世界で話したのはつい昨日のように覚えているのにこの五年間の記憶は確かにある」
水をもらって全てを思い出した。それは水ではなく記憶を戻す薬でありメイドはアイリスであること僕は未来から転生したこと。
「気分はどうクロウ」
「ずっと胸でつっかえてたものが取れた感じだ。すごく気分がいい」
物心着いてから何か違和感を感じていた。それが何なのかは今ようやく分かった。
「朝ごはんを食べに行こうか」
「早く行きましょう皆さん待ってます」
僕は家族が待ってる食堂へと向かうため部屋を出る。
僕は転生してヴェルノ伯爵家の次男として生まれたエドワードだ。貴族として生まれるのは運が良かったこの5年で色々な学べたが中でも剣の使い方と魔法の使い方を習ったが初めてのことだった。転生する前は魔法が使える仮想空間を作ったことはあったが、学習目的で作ったわけではないので学ばなくても初めから使え、学ぶ機会が今まで一度もなく必要もないものだった。
「道具に頼ってばっかだったからなぁ..」
「なにか言った?」
「いやなんでもない」
「そう。それではここからは使用人のアリスとして接します」
態度の豹変ぶりにおどろいたが随分とメイドが様になってるものだ。僕が転生したからの記憶がある歳から既にメイドとしていたのだから当たり前か。
「あぁわかってる」
そうして食堂への扉が開かれる
「「誕生日おめでとうエド」」
待っていたのだろうか家族の全員が僕に祝いの言葉を投げかけ出迎えてくれた。
(そうだった今日誕生日だったんだ)
ヴェルノ伯爵家は父と母、姉と兄と妹と僕の六人家族だ。記憶が戻って思った事だがこの家は無駄に造りが豪華だ。
「ありがとうございます父様、母様、エリック兄様、リエール姉様、それにメア」
いつも通りの調子で話す。今まで容姿端麗なアンドロイドを見慣れてきているがこの家族全員中々に容姿は整っている。昔はイケメンだった事に違いなしの立派な口髭をたくわえた父上、綺麗に手入れされたブロンドヘアを腰まで伸ばした母様、雪のような肌に銀髪のリエール姉様、精悍な顔つきに金髪のエリック兄様、姉様と同じく銀髪に幼子特有の無邪気な笑顔を見せるメア
「どうしたの?」
席に座らない僕を不思議そうに見つめる母様
「誕生日のことすっかり忘れてて、びっくりしてしまいました」
照れ笑いをし、そそくさと席に着く
それにしてもいつにも増して豪華な食事だ
「エドももう5歳になるのか、剣力500を超えなければな」
渋い声で厳かな雰囲気を放つ父様
「あなた、怒りますよ」
母様の一言で一瞬で空気が変わる
「すまなかった、誕生日に言うことではなかったな」
さっきとうって変わって優しそうに笑う父様
「エドなら大丈夫だよすぐに越えるさ」
すぐにフォローしてくれるエリック兄様
「エドは日々頑張っていますし大丈夫ですよ」
優しく笑いかけ慰めてくれるリエール姉様
この時代には剣の力と魔法の力の剣力と魔法力を数値化する試験がある。成人とされる15歳で試験がありそこで2000未満は初級、2000を越えれば中級、5000を越えれば上級とそれぞれなる。
中級になれば魔導師、剣士として生活していくことが十分可能になる、だがまず15歳で2000を超えることはない1500を超えたら御の字という具合だ。
この数値は一つの基準となるためとても重要なものだ。
初級中級上級と分けられるのは15歳の試験だが15歳にならずとも試験自体は受けることは可能だ。現にヴェルノ家では5歳から1年に1回試験を受けることになっている。ヴェルノ家は貴族の中でも特に優秀で15歳の試験で魔法力剣力ともに2000を切ったことがない。さらに、ヴェルノ家で歳に応じての目安があり5歳で500、10歳で1500を超えなければならない
僕は今、魔法力の方はまず問題ないだろうと家庭教師で上級魔導師中級剣士であるエリーゼ先生からお墨付きをもらっているが、どうも剣力に関しては500を超えるかは怪しいらしい
和気藹々とした朝食を終え僕はアイリスを呼んで自室に戻った。
「転生したはいいけど今まで魔法も剣も碌に使ったことないからきついな」
「それはしょうがないよ。なんだかんだで上手くいってしまう仮想空間とは違うんだから」
そう言って僕の額をこづいていたずらぽく笑う
「痛いなぁ、急に何すんだよ」
「あれ? ご機嫌斜め? 」
少し困った顔をするのでデコピンしてやった
「いったーい、こんな美少女を傷物にするなんてクロウの鬼、悪魔」
「正直このままで2000を超えられるか心配ではあるな」
ぶりっ子ぶってふざけてるので完璧にスルーしてやった
「剣は分からないけど魔法力に関しては心配しなくて大丈夫」
「どうして?」
「意地悪なクロウには教えませーん」
舌を出しあっかんべーをするアイリス。そんな様子も可愛らしい
「教えてくれないならいいよ。じゃあ剣を重点的に鍛えたらいいのか」
「そんな意地にならなくても...まぁでもそうだよクロウは剣を頑張れば大丈夫」
何故魔力の心配はしなくていいのかとてもきになるがアイリスに聞くのが癪にさわるので諦めた。
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