第2話 私達、さっそちゃん!

 黒のエプロンドレス、フリル付きの白エプロンに同じくフリル付きの白いカチューシャを身に着けた猫耳に猫尻尾の赤毛の美少女が地に伏せてライフルを構え引き金を引く、銃身から放たれた光の弾が標的を消滅させる。

 「よし、命中♪」

 赤毛ボブカットの美少女の名はさっそちゃん壱号アン、身長は十cm体重は秘密。

 

 「ええいっ! 浅間山噴火落としっ!」

 別の場所では畳敷きの部屋で、白カチューシャに柔道着姿の青髪姫カットの美少女が白いネズミ型ロボットに背負い投げをかけていた。

 彼女の名はさっそちゃん弐号ヤワラ、身長体重はアンと同じ。

 

 「ワン・ツー、アッパ~ッ!」

 ヤワラと同じ場所では、サンドバッグを相手に両手にグローブを付けた黄色ポニーテールのメイドが打つべし、打つべし! とパンチを打っている。

 さっそちゃん参号ボクシー、彼女の手のグローブも反物質装置でネズミもゴミも一撃で消滅させられる。

 

 「ニンニン! 反物質刀逆手斬りっ!」

 緑髪のお団子頭に忍び装束風和装メイドが素早くターゲットを切り裂いて行く。

 さっそちゃん肆号、サクラはソース元がフィクションの忍者だ。


 「行きますわよ♪」

 ピンク色のドリルのように捻られた縦ロールの束が風になびく。

 さっそちゃん伍号、フローラが投げたのは無数の超小型反物質爆弾。

 彼女は範囲攻撃型デモリッションマンメイドだ。


 愛らしい小さな猫耳メイド達の名はさっそちゃん。

 彼女達五人が、ネズミ駆除用人型ロボットさっそちゃんの試作体だ。

 彼女達がいるのは、ネコイラズコーポレーション内にある秘密基地。


 さっそちゃん達は来るべき着任に備えて、鍛錬に励んでいた。

 彼女達と人類の敵、それはネズミ。


 人間達が天敵である猫を排除したり狩猟本能を弱めさせたことが原因でネズミ達は

大繁殖の機会を得ていた。

 人類社会は密かにネズミ達に侵略されつつあったのだ、この危機を知り人類に影から救いの手を差し伸べた存在がいた。

 「さっそちゃん、集合!」

 甘いながらも凛とした声の下に、さっそちゃん五体が跳躍し整列する。

 「「集合しました、社長!」」

 声を揃えて挨拶するさっそちゃん達。

 「は~い、よくできました♪ 皆、調子はど~う?」

 甘くおっとりと伸びた口調に変わる社長、前髪ぱっつんのロングヘアーにスーツの上からでも目立つ巨乳の綺麗なお姉さん。

 ネコイラズコーポレーション社長、猫田まりあである。

 まりあの問いかけにさっそちゃん達は一斉に答える。

 「「順調です♪」」

 それぞれが決めポーズを取って構える。

 「良かったわ、着任先が決まったから伝えに来たわよ♪」

 まりあが章太郎の写真と住所などのプロフィールを見せる。

 「この方が、私達の司令官ですか♪」

 「優しそうな方ですね♪」

 「守りがいがあるでござる♪」

 「私が鍛えてやるぜ♪」

 「おほほ♪ わたくしの面倒を見させて差し上げますわ♪」

 それぞれが好き勝手言いつつも、章太郎に興味を抱いた。

 「まあ、皆気に入ったみたいね♪ 私もこの子が気に入ったの♪」

 まりあの好みのタイプだったらしい章太郎、ロボットは開発者に似るのだろうか?

 章太郎と彼女達の、ドタバタな日々が始まるまでのカウントダウンが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

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