第9話 ワシが空から降ってきた

花音視点そのいち

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私の名前は千堂花音。

どこにでもいる普通の、ただ十宮くんが好きな高校生です。

そう、全てはあの日から始まりました。


※※※


ある日、私は普通に買い物に出かけました。

しかしそれが運の尽きでした。

今日は周りがやけに静かで暗いなぁと思っていると、頭上にはなぜかワシが68羽(目測)、

しかもこちらに向かってきています。

しまった!今日はワシ警報が出ていたんでした!


(説明しよう!ワシ警報とは、ワシの大群がどこからともなくやって来て、人を襲うとか襲わないとかそういった謎の現象を、これまた謎の達人がなんやかんや謎の力で察知して、事前に注意喚起をするというこの町ならではの変な警報なのだ!ちなみに頻繁に起こることではない)


うわぁ、オオワシ27羽(目測)とイヌワシ25羽(目測)とイヌワシ15羽(目測)とハクトウワシ1羽(目測)が!

あ、ハクトウワシ珍しいな。

じゃなくて!

あぁ、どうしよう!

そう思っている間にもワシは迫ってきます。

もうダメだ!と思って手で顔を覆ったその時、


「諦めるな!」


という声がして、手を引っ張られました。

ワシはそのままの勢いで地面に激突

……するかと思ったら、一糸乱れぬ綺麗な動きで群れ全体が向きを変え、上へ高く高く舞い上がっていきました。

………すごい。

私は呆然としてただそれを見ていることしかできませんでした。


そういえば誰が手を引いてくれたんでしょうか……

そう思って振り向くと、そこには同じく呆然とした顔で固まっている人がいました。


「だ、大丈夫ですか……?」


こっちが助けてもらったんですけど、なんだかこの人の方がやばそうだったのでそう声をかけました。

すると……


「ゔわ゛ぁぁぁ!ごわ゛がっだよぉぉぉ!」


とガチ泣きで私に抱きついてきました。



とても震えていてなんだかかわいそうだったので、頭を撫でてあげました。

すると、なんだか満たされたような気持ちになりました。

その人はしばらく泣いた後に泣き疲れて眠ってしまいました。

その人の荷物に入ってた学生証から、名前や同じ学校だということなんかが分かりました。


そんな十宮くんを見て、私は恋に落ちました。



眠ってる十宮くんは家までどうにか届けることができました。

学生証に住所が書いてあって良かったです♪



後に蓮也はその日のことをこう語った。


「ワシなら友達になってくれると思ってちゃんと本を読んで練習したのに、あきらめるな(意味:ワシによると‘友達になって’)って本に書いてあった通りに言ったらなんで逃げられたんだろう……しかもめちゃくちゃ多いし勢いよく迫ってくるからめちゃくちゃ怖いし……誰がを助けたような気がするけど、あんまり覚えてないし。気づいたら家についてるし。

その後どうしようもなくなって、次の日の学校の帰りに占いに行ったんだよなぁ」

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