090, 4-09 乗り越えた闇の先

前回のあらすじ

 卑怯者めっ!!



俺はカナリッジの街に戻ってきた。

また住む為ではなく、エロシスターにお別れを言いに来たのだ。

どういう状況なのかよくわからないが貴族と揉めたことだけはハッキリしている。

ほとぼりが冷めるまで外国に行こう。

街を遠く離れるのでエロシスターに会っておきたい。


街を歩く俺。

付いて来る二人の女。

こいつらとも国を出ればお別れだ。



ビブリチッタ様の教会で神父様に挨拶すると、エロシスターは結婚したという。

ビブリチッタ様は聖職者の結婚を禁じていないので、エロシスターはまだシスターであり、通いで仕事しているらしい。

ちょっとショックだが、何より重要なことがある・・・。

エロシスターは人妻になったのだ!

人妻シスター、響きがエロすぎる!!

エロシスターはどこまでエロくなるのか。

そして俺の妄想が始まる。



・シスターSIDE

「仕事に行く時ゴミ捨てしてって言ってるでしょ!」

「うるさいなぁ。俺は街の安全を守ってるんだ!」

玄関を出る夫を見て人妻シスターは思う。

(どうしてこうなちゃったのかな・・・)

その時チャイムの音が―――ドアを開ければお隣のジョニー。

「どうしたのジョニー君」

「俺・・・。俺、もう黙って見てられませんっ!」

・ジョニーSIDE

毎日聞こえてくる隣の家の夫婦喧嘩。

俺は我慢できず、チャイムを鳴らす。

「どうしたのジョニー君」

うれいのある表情で人妻シスターがドアを開ける。

「俺・・・。俺、もう黙って見てられませんっ!」

落ち込んだ人妻シスターは非常にエロく、俺の欲情をき立てる。

「まっ、待ってジョニー君。私には夫が・・・」

「人妻シスターにそんな顔をさせる男の事なんて・・・、俺が忘れさせてあげます!!」

壁ドンする俺。

「駄目よそんな・・・」

「人妻シスター・・・」

俺は、人妻シスターの腰に手を回し―――。



エロシスターの妄想なのに封印されし闇が一切出てこない・・・。

俺は遂に、遂に闇を乗り越えたのだ!!

感動に打ち震え、涙を流す俺。

妄想を続けようとすると、何故か家出令嬢が邪魔をしてくる。

仕方がないので俺の今の気持ちを正直に告白する。

「凄いなジョニー」と痴女銀狼の感心した声が聞こえる。

自分の心情をさらけ出す、というのは勇気がいる行為だ。

だが俺は、エッチな妄想がしたいんだ!!

そんな俺の強い思いが伝わったのか、家出令嬢は今まで見たことのない綺麗な笑顔で・・・、俺をぶん殴った。



一体どうしてこうなった・・・。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る