秋が来れば冬が来るように。

好きだと言ったとき、あの時が一番幸せだったんだ。


何もかもがまっさらで、けれど何かが必ず始まる予感にだけ身を震わせていた、あの時が。


それでも、思いが膨れ上がって、実って、熟して、はち切れんばかりにどうしようもなくなって、伝えてしまったから。


でも、それは絶対に間違いではなかった。


ひたすらに、これからの事に夢を見ていたあの日こそが、それだけが、甘い果実そのものだっただけで。


好きだと言ったあの瞬間、すべてが、全て。

報われてしまったから。


君からの好きがなくったって、自分の好きが報われたから。


ただ、実って、散った。

この想いは、

それだけだったんだ。

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