薄明
それだけが頼りだった。
逆に言えばそれしかわたしには、なかった。
暖かいようで、とても冷たくて。
悲しいようで、ただ、ひたすらに優しい始まりだった。
きっと一瞬の光のようなそれは、すぐに消えてしまうから。
捕まえようとするだけ無駄なのに、糸にすがるように、花びらを掴むように、どこまでも追いかけてしまうのだ。
さよならや始まりさえも、きっとそこから始まるから。
そこにいって全てを止めてしまいたい。
消してしまいたい。
終わらせてしまいたい。
あの光を消すように。
どうか、今日のこの日を。
今日も明日が始まっていく。
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