閑話集 1
閑話2-13 解体☆幼女 アリスちゃん
-------------------------前書き-------------------------
副題の「2-13」は作中でこの閑話が入るだいたいの時系列を表しています。
「2-13」は第二章の十三話目あたりということです。
アリス視点です。
残酷かつグロい表現があります。
苦手な方はご注意ください。
一部、男性限定でご注意いただきたい箇所もあります。
-----------------------------------------------------------
アリスはアリスです! 六才です! お父さんとお母さんとバジル兄とシャルル兄と一緒に村に住んでいたんだけど、いまはユージ兄と一緒に住んでいます!
いまのおうちはすごくて、ぴかーって明るくなったり、お水もお湯もじゃばーってすぐ出てくる、すごいおうちにユージ兄とコタローと一緒に住んでいます。
ユージ兄は頼りないから、アリスとコタローがしっかりしなくちゃ!
あ、ユージ兄がかえってきた!
「ユージ兄、たいへん! 血がいっぱいだよ! ケガしたの? 痛くない?」
森からかえってきたユージ兄は、肩のところとか血で赤くなっていました!
「大丈夫だよ、アリス。これはイノシシの血だから。持って帰ってくるまでにボタボタこぼれた血がついちゃって」
じゃあ……イノシシ獲ったんだ! やったあ! ユージ兄すごい!
「イノシシ獲ったんだ! やったあ! あ! ユージ兄とアリスとコタローしかいないから、お肉だけじゃなくて
「お、おう」
やったーやったー!
おなかがくーって鳴っちゃいました。
だって、
「あー、でもちょっと解体の仕方を調べてからだな。庭の車庫に置いてあるけど、早い方がいいんだろうし」
え? ユージ兄はかいたいできないのかな? アリスはドニおじさんに教わったからできるよ! ちからがいるところはアリスまだ子供だからできないけど……。
ちょっと頼りないけど、ユージ兄に手伝ってもらって、今日はしんせんなかんぞーだ! えへへ、ごちそうだあ。
イノシシは、お庭の
ユージ兄に手伝ってもらって、かいたいです!
「んーとね、まずはよごれないようにおしりに布をつめるの。こうだよー」
ユージ兄からもらった布を、ぐいぐいっておしりのあなにつめていきます!
ユージ兄は見てるだけかあ……次はちゃんとユージ兄もできるかなあ?
次は、かわをはぎます!
んしょ、んしょ、んん、ユージ兄にはめられた
「ユージ兄、ごむてぶくろがぶかぶかでたいへんだから、ユージ兄がかわはぎやって!」
「お、おう……。よ、よし、まかせとけアリス!」
かわはぎはユージ兄がやってくれたけど……かわが穴だらけになっちゃった。しょうがないなあもう。
次は、あたまを外します!
ユージ兄のナイフはよく切れるので、すっごく楽です!
アリスがえいって切ったら、ユージ兄にあたまを持ち上げてもらいます。
つながっているところをまたちょっと切りました。
「ユージ兄、そしたら、あたまを持ってぐるんってまわして外すんだよ!」
「お、おう……」
ちょっとユージ兄の元気がなくなってきた気がします。疲れてるのかなあ……。
でもきれいにあたまが外れました!
「ユージ兄、べろとほっぺたはどうする? あたまごとコタローにあげちゃう?」
「お、おう、コタローもがんばったからな、あげようか……」
ユージ兄があたまを置いたら、コタローはあたまをくわえてささっとしゃこから出て行きました!
しっぽを振って、すごくうれしそうでした!
でもユージ兄から見えないところで食べるなんて、はずかしがり屋さんだなあ。
「次は、のどからおしりまでぴーって切るんだよ! アリスがやるね!」
んしょ、んしょ。
やっぱりユージ兄のナイフはよく切れるので、おなかまでとどかないようにするのが大変です!
あ! イノシシはオスでした! 大変です!
うしろのあしの、おなかにぴたっとくっついたぼうと、おしりのほうの二つのたまを気をつけてとります!
これをやぶっちゃったら大変なんだあ……。
「ユージ兄、これもコタローにあげる?」
って聞いたら、ユージ兄はぱっと手をのばしてうけとって、すぐすてちゃった!
やっぱりかおいろがわるいなあ……。疲れてるのかなあ……。アリスはしんぱいです。
次は、またわりです!
ちからがいるので、ユージ兄にやってもらいました!
ナタでがんっがんってわるユージ兄はやっぱりしろいかおで、だいじょうぶかなあ。
そうしたら、いよいよ
ユージ兄に前のあしを持ってもらって、アリスがおなかに手をいれて、えいってやったらきれいにとれました!
ユージ兄に持ってきてもらった
あとできれいにすれば、おいしいしんぞーとかんぞーが食べられます!
えへへ、楽しみだなあ……。
あとはちからがいるから、おにくとほねを外すのはユージ兄にやってもらいます!
アリスは、ここだよ、ここだよって教えて、もつのせいりです!
あった! しんぞーだ! えへへへへ、かんぞーもきれいにとれました!
ユージ兄が持ってきた
次は、しょうちょうです!
ドニおじさんは川が近くにないからなあってあきらめてたんですが、いまのアリスのおうちには
このへんかなーって切ったら、ほおすの先をあてて、お水でじゃばーってなかをきれいにするんだあ!
えへへ、どんな味がするんだろ……。ドニおじさんに教わっておいてよかったあ!
あ、ユージ兄もおにくとほねを外しおわったみたいです!
「ふう、終わった……。よーしアリス、今日はステーキだな!」
「もう、ちがうよユージ兄! イノシシのおにくは
そ、そうか……と言った後も、ユージ兄はなにかぶつぶつ言っています。
ちょっと頼りないけど、でもアリスはユージ兄が好きです!
今日のごはんは楽しみだなあ!
おいしいごはんがおわって、おふろに入ってぽかぽかして、ユージ兄と一緒にベッドに入りました。
しあわせな気持ちだけど、でも、ちょっとさびしいです。
お父さん、お母さん、バジル兄、シャルル兄……。
アリスがちょっと泣きそうになっていたら、ユージ兄があたまを撫でてくれました。
「アリス……頼りないかもしれないけど、辛い時は俺に言うんだよ」
ユージ兄は頼りないけど、やさしくってアリスは大好きです。
お父さんとお母さんとバジル兄とシャルル兄と、ユージ兄とコタローで暮らせたらいいなあ……。
でも、アリスほんとはわかってます。
お父さんとお母さんが、いつも言っていました。
とーぞくには気をつけなさいって。
もしみんなで逃げられなかったら、逃げられた人は、一人でもしあわせになるんだよって。
バジル兄とシャルル兄とアリスのあたまを撫でながら、お父さんとお母さんは言ってました。
お父さん、お母さん、バジル兄、シャルルお兄。
アリスはいま、しあわせです。
ユージ兄がいて、コタローがいます。
でもちょっと、やっぱり、さびしいです……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます