第149話その後

 黄竜歴212年。

 渋原 来人はフィーネと結婚し、大森林で暮らし始める。



 黄竜歴213年。

 ロウエンから強引に王権を譲渡され、嫌々ながらもヴィルジホルツの王に就任。同黄竜歴213年、独自の年号を作成。ショウワ元年と歴を改める。



 ショウワ3年。

 来人とフィーネの間に第一子が産まれる。アルブ特有の長い耳を持った男子をレイと名付ける。



 ショウワ5年。

 国名をヴィルジホルツからジパングに変更。北に住むネグロス、南に住むビアンコの交流を計り、二種族は次第と打ち解けていく。



 ショウワ10年。

 ジパングに稲作を広めるためにアズゥホルツと貿易を始める。一年をかけて街道を整備し、ジパング、アスファル聖国、アズゥホルツに続く街道が出来上がった。その道を人はニューロードと呼ぶようになる。



 ショウワ13年。

 海上輸送に着手する。来人は異界の知識からメガフロートという沈まぬ船を作り出し、安全にジパングとリッヒランドを結ぶ海路を設立。



 ショウワ15年。

 養女のチシャがアズゥホルツの王家に嫁ぐ。来人は実の娘の嫁入りのようにチシャとの別れを惜しんだ。



 ショウワ35年。

 来人とフィーネの間に第二子誕生。やはりフィーネの血が濃いためか、耳の長いかわいい女の子を授かる。カエデと名付け、目に入れても痛くない程に可愛がった。



 ショウワ165年。

 桜は聖女として、放浪の旅に出る。各地を回り、病気で苦しむ民を癒し続けた。



 ショウワ211年。

 アスファル聖国に奴隷制度が復活。来人は逃亡してきた獣人達の受け入れを始める。



 ショウワ212年。

 アスファル聖国がアズゥホルツに侵攻。南方を掌握する大国家となる。



 ショウワ213年。

 アスファル聖国はジパングに宣戦布告。七日間戦争始まる。



 ショウワ214年。

 来人はアスファル聖国の国教を廃止。アズゥホルツに国土を返還。国家の英雄として称えられる。桜はアスファル聖国の法皇として執務に就く。



 ショウワ1250年。

 リッヒランドに転移者が現れる。強大な力を振るい、瞬く間にリッヒランドを手中に収める。



 ショウワ1251年。

 来人は単身リッヒランドに向かい、転移者と戦う。激闘の末、転移者カリギュラを倒しリッヒランドを解放。



 ショウワ3589年。

 アズゥホルツの女王であるチシャが天寿を全うする。父王来人は三日三晩チシャを想い涙を流した。



 ショウワ5541年。

 アスファル聖国法皇、桜。天に召される。来人は桜の遺灰をジパングに持ち帰り、自分が入るであろう墓に埋めた。



 ショウワ6012年。

 フィーネ・フィオナ・アルブ・ビアンコ、天寿を全うする。来人の愛を一身に受ける幸せな人生だった。



 ショウワ6013年。

 来人、天寿を全うする。フィーネを失い、後を追うように天に召される。王を失った国民は一人残らず涙を流した。

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