第5話:特許ってなに?
異世界転生転移モノで現代知識を特許にするシーンが出てくることがあります。私は現実世界で何度も特許出願に関わった経験がありますから、そんなシーンを読むたびに、そんなに簡単じゃねぇーよと、ツッコみたくなってしまいます。
まぁ、現実と異世界とでは事情が違うでしょうから、しかも創作された物語のなかのことですからツッコんでも意味はありません。
話を現実世界に移しますと、現実世界で特許をとるためには、その発明が二つの条件を満たしている必要があります。
その条件とは、
・新規性
・進歩性
です。
新規性とは、その発明が既存の技術には見られない新規のものであり、客観的に新しいことが求められます。
進歩性とは、その発明が既存の技術を進歩させるものであり、当該業者が公知された発明等に基づいて容易に発明することができない困難性を求められます。
新規性を出すことはリサーチを密に行えば比較的容易ですが、進歩性を出すことは、非常に困難な要求事項となります。
特許を取ることはということは、審査官の主観との闘いと言ったら怒られるかもしれませんが、私はそう思えてなりませんでした。
いかに進歩性があって有用な発明なのか。それを審査官に訴えるかのように、特許明細書に理路整然と纏め上げるわけです。
大抵は一、二度拒絶査定を喰らって請求項を絞り、陳情するかの如く審査官に再審査をお願いします。
特許を取るとはそういうことだと私は理解させられましたというお話でした。
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