告白は最大の防御

暗黒星雲

告白は最大の防御

第1話 私だけの愛玩動物

 私だけの愛玩動物。黒田星子くろだせいこ


 本当に真ん丸な丸顔の星子は、マシュマロのようなプヨプヨの頬が可愛らしい。そして、常に何を見ているのわからないその眼差しは、どこかの異次元を見つめているかのようだ。そのミステリアスな雰囲気が私の心を強く引き付ける。そして何より魅力的なのが、そのふくよかな体形だ。ぽっちゃり系女子だが肥満というほどではない。その豊かな胸元は女の私から見ても眩しすぎる。推定96のFカップ。一説にはGカップではないかと言われている逸材だ。


 私は星子の胸を独占したかった。私は百合ではないし、自分が触りたいと思ったことは……少しはあるけど、この程度は百合じゃない。それよりも、他の女子には触らせたくなかった。絶対に。男子は論外だ。


 私がそう思うようになったのは理由がある。それは、私たちの親友である有原波里ありはらはりが、星子の胸にちょっかいをかけ始めたからだ。波里は、チャンスがあれば星子の胸にタッチする。にやけた顔で、ヘラヘラと笑いながら。そして星子も、多少は嫌がる素振りを見せるものの、波里を拒否したり怒ったりすることはない。


 私は波里の事も好きなんだ。親友だと思っている。だがしかし、この星子の胸を触る事だけは許せなかった。少しは星子が怒ってくれればよいのだが、彼女にそんな気は無いらしい。

 私は身体を張って、波里の攻撃を阻止するよう心がけている。なるべく波里と星子の間に位置し、波里の手が届かないように気を配った。しかし、波里はそんな私をあざ笑うかのように星子の胸にタッチする。通学路も同じでクラスも同じ。いつも一緒に行動している。だからチャンスはいくらでもあるのだろう。私の目を盗んで波里は星子の胸にタッチする。そして頬を赤く染め、デレデレと緩んだ顔でにやけているのだ。そんな波里を羨ましいと思ったことはない……ことも無かった。少しは羨ましい。でも私は、そんな事で性的に興奮することは無いから百合ではない。これには自信がある。しかし、この波里の行動だけは阻止したい。

 アレは公序良俗に反するのではないか。一般論としては、やはり止めさせるべきであろう。そして何より、私自身が腹立たしいのだ。これが嫉妬なのかどうか、自分でもよくわからない。


 私は波里の行動を阻止したい。その為の、最も有効な手段は何か。考えに考えた末、出した結論はこうだ。私が星子に告白する。そして、二人が付き合っているって周囲に認知させるんだ。そうすればきっと、波里は手を出せなくなるに違いない。百合ではないが、星子に告白する。私は固く決心した。

 

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