下の名前
私は先生と会話する事が多くなった。会話の中で時々下の名前で「蒼ちゃん」と呼ばれるようになっていた。私も橋本先生の事を「健太君」と時々呼んでいた。
前までは苗字で「山口」と呼ばれていたはずだが、苗字呼びから下の名前に変わった。それが凄く嬉しくて、先生との距離が縮まったような気がしてた。
ある日の休み時間の事だった。
先生はイケメンだし、優しいから相変わらず周りには女子が何人かいた。
「橋本先生 髪切ったでしょ?」
「先生今日何か疲れてない?」
など、話が聞こえてくる。
私は気にしてない素振りを見せるも、内心はどんな会話をしてるのか気になっていた。聞き耳を立てていると、先生がクラスの女子を「愛佳」と呼んでいるのが聞こえた。
愛佳? 呼び捨て?私の事はちゃん付けで呼ぶのに、、、。
心臓を握り締められてるかのように胸が苦しい気持ちになった。
その日、家に帰ってからも考え事をしていた。「愛佳」と呼んでいた先生の言葉が頭から離れず、ベットに横になり眠りにつくまで、その言葉は消えなかった。
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