項羽と籍

第155話 伯父と甥？ 伯母と姪？ それとも親子喧嘩？（５）

　まあ、流石と言うべきなのだろうか？　覇王妃さまと梁さまのお二人はね。

　覇王妃の方は、もう既に何度も説明をしているけれど、中華四〇〇〇年の異常の歴史を持つ、あの巨大な大陸を有す国の歴史の中で、最強の武士、一騎当千万夫不当の強者……。

　あの漢帝国を起こした高祖劉邦と軍師張子房……。

　そして忘れてならない武士……。国士無双の根源となった人物、漢の大将軍である韓信将軍と三人がかりでやっと倒せた人物のダークエルフの女体化、精霊、物の怪……ではないね？

　電子の世界の戦女神である覇王妃さまと。

　一度籍の部屋で覇王妃さまと手合わせ、拳と拳とで、深夜に乱闘騒ぎを起こし。近所迷惑な行為をしてしまった拍殿の姉であり師匠でもある梁さまだから流石と言うべきだろうか？

　覇王妃さまの重たい拳と蹴りを、己の軽くしなやかな身体と足腰、腕の筋肉のバネをうまく利用して。しながら。

　覇王妃さまの攻撃を受け、止めずに、上手く流し交わしながら攻撃に移る。転じているところが大変に素晴らしいと言える。

　またそれをうまく交わし、また攻撃に移れる覇王妃さまを見れば、赤帝劉邦が率いる大軍を十分の一にも満たない兵力差で迎撃したのも『フムフム』、『流石覇王妃さまだ！』頷き、声を大にして叫びたい衝動に駆られるほど。

　御二人の蝶が舞い。踊るような素手と足だけを使用した肉弾戦は大変に美しく見惚れ、魅入りながら観戦を、してしまほどなのだよ。